行田足袋

行田足袋 ギョウダタビ

木綿の一大産地が生み出した
和装文化に欠かせない足もとのアイテム

Description / 特徴・産地

行田足袋とは?

行田足袋(ぎょうだたび)は、全国一の足袋生産を誇る埼玉県行田市で生産される特産品です。
利根川、荒川の二大河川に挟まれた行田市周辺地域は、水や堆積した砂質土が豊富な場所。さらに夏場は高温になるため綿の栽培に適しており、木綿の生産が盛んとなりました。また、それに加えて近くに中山道が通っていたことなどから、足袋の製作が隆盛していったと考えられています。
生地は木綿、こはぜは真鍮もしくはアルミ(または同等の素材)を使い、指の収まりがよくなるよう、ふくらみをつけながら立体的に縫製されているのが特徴。現在でも和装文化に欠かせないアイテムです。

History / 歴史

行田足袋 - 歴史

享保年間(1716~35年)ごろに描かれた『行田町絵図』には3軒の足袋屋が記されていることから、行田足袋の生産はそのころから開始されていたと考えられています。
100年ほど経過した天保年間(1830~44年)になると、足袋屋は27軒に増加。さらに近代に入ると足袋は大衆化して需要が拡大し、行田の足袋商人は東北地方や北海道へも販路を広げます。また、作業工程に合わせて特殊な専用ミシンが導入されるなど製作面も進化。それに加えて日露戦争の好景気もきっかけとなり足袋工場建設が進みました。
生産量の増加とともに製品を保管するための足袋蔵も数多く建造されましたが、そのうち約80棟の足袋蔵は現存。行田の町に趣きある景色をもたらしています。
昭和13~14年(1938~39年)の最盛期には全国の約8割の足袋を生産し、“日本一の足袋のまち”と呼ばれるまでになりました。
靴下が普及した現在も、行田では足袋の生産が続けられ、国内外へ新製品をを発信し続けています。

Production Process / 制作工程

行田足袋 - 制作工程

  1. 1.裁断準備 ひきのし布を10枚重ねて、裁断するために整えます。
  2. 2.裁断 足袋の型をあて、布を裁断します。
  3. 3.かけ通し こはぜをかける糸を通します。
  4. 4.押さえ 通した糸が動かないように止めます。
  5. 5.ハギマチ こはぜをつける部分の裏に、布を縫いつけます。
  6. 6.こはぜつけ こはぜを縫いつけます。
  7. 7.羽縫い 表地と裏地を縫い合わせます。
  8. 8.甲縫い 足袋の甲の部分を縫い合わせます。
  9. 9.尻止め かかと部分を丸く縫います。
  10. 10.爪縫い 爪先部分を縫います。
  11. 11.まわし 爪先以外の部分を縫います。
  12. 12.千鳥 まわし縫いしたところを千鳥縫いして糸がほつれるのを防ぎます。
  13. 13.仕上げ 形を整えたら完成です。

Facility Information / 関連施設情報

行田市郷土博物館

  • 住所
  • 電話
    048-554-5911
  • 定休日
    月曜日(祝日休日は開館)、祝日の翌日(土日は開館)、毎月第4金曜日(テーマ展・企画展の開催中は開館)、年末年始、その他の臨時休館日
  • 営業時間
    9:00~16:30
  • アクセス
    JR吹上駅(北口)から 朝日バス 「忍城」(おしじょう)バス停下車すぐ JR行田駅(東口)から 市内循環バス 西循環コース 【右回り】「忍城址・郷土博物館前」下車すぐ 【左回り】「行田市バスターミナル」下車徒歩5分
  • HP

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