京くみひも

京くみひも キョウクミヒモ

京都で生まれた雅な結びの文化
優美さと実用性を兼ね備えた手作業の逸品

Description / 特徴・産地

京くみひもとは?

京くみひも(きょうくみひも)は京都府京都市、宇治市周辺で作られている紐です。古くは平安時代から仏具や神具などの格の高い品に用いられ、皇族や貴族など位の高い人々の装飾品としても使用されたことから、都であった京都で発展していきました。
絹糸等を用いて、手作業で美しい編み目の紐に組み上げ、紐の用途によって「平紐」、「丸紐」、「角紐」、「笹波紐」など組み方も様々で、その種類は300種にも及びます。多種多様な紐の組み上げに必要な道具も様々で、紐を組み上げる為に使用する台も用途によって使い分けられます。
京くみひもの特徴は、複雑に組み上げられた繊細な編み目と優美な光沢です。また、優雅な見た目だけでなく実用面でも優れており、なかなか切れない強度と締めた時のしっかりとした締まり具合には定評があります。
現在では、和装の帯締めの他にもアクセサリーやキーホルダーなど、より生活に親しみやすい小物も多く制作されています。

History / 歴史

京くみひも - 歴史

くみひもは、縄文時代から簡単に紐を組んだ簡素なものから始まり、飛鳥、奈良時代に入ると大陸からくみひもの高度な技術がもたらされ工芸品として発展しました。当時に高度な技術で制作されたくみひもは正倉院に収蔵されています。
平安時代に入るとそれまで中国の影響が強かったデザインからより和風の趣が強いものになり、貴族の雅な文化を反映して、より豊かな色彩に複雑な編み目を用いて貴族の冠の房や着物の装飾などを飾るようになります。
室町時代になると茶道の影響を受け「わびさび」の精神が取り入れられ、それまでの華やかの印象から渋さを好むものに変わっていきます。また、武士の力が台頭してくるようになると、鎧兜にも京くみひもが用いられるようになります。
江戸時代になると、それまで身分の高い人が用いていた京くみひもが、庶民にも広がっていきました。そして、明治以降、京くみひもは和装の帯締めとして欠かせない小物となっています。

General Production Process / 制作工程

  1. 1.糸割り くみひもを作る際に、作るくみひもの本数に合わせて絹糸を仕分ける作業です。材料の糸の目方を計り、作るくみひもの本数分に分けていきます。材料に使われる糸は、絹糸、綿糸、金糸、銀糸などが用いられます。
  2. 2.染色 組み上げる紐のデザインに合わせて糸を染色します。染色は何度も染色液に漬けてムラなく染めるなどとても繊細な作業で、様々な色合いを必要とすることから専門の業者に外注に出します。色目やぼかしなどの意匠について細かく発注を行います。
  3. 3.糸繰(いとく)り 染色した糸を専用の機械を用いて「小枠(こわく)」と呼ばれる単一の枠に巻きつけていきます。
  4. 4.経尺(へいじゃく) 糸繰りの作業で巻き取った糸を、更に経尺枠に巻き取っていきます。この時、長さは作ろうとするくみ紐の長さにあわせて巻き取っていきます。糸は1本ではなく、数本を合わせた合糸(ごうし)で巻きとります。デザインによっては数種類の色を組み合わせて合糸にし、より深い趣をもった糸にします。
  5. 5.撚(より)かけ 長さと色を揃えた糸は「八丁撚糸機」と呼ばれる機械で撚りをかけて巻きとります。撚りをかけることで強度が増し、光沢も生まれます。この作業を終えて初めて紐の組み上げの下準備が整います。
  6. 6.組み上げ 撚りをかけた糸を組み上げていきます。組み上げる台には丸台、角台、高台など作りたいくみひもの編み目によって使い分けられます。組み方も「丸組」や「平組」、「角組」などの組み方があり、更に「丸組」の中でも、「四ツ組」や「八ツ組」、「江戸組」などの組み方があります。組み上げる紐は数本の糸を束ねた束を「一玉」と呼び、組み方によっては百近い玉を用いて組み上げます。くみひもは織り紐が直角に交差する織紐とは違い、斜めに組み上げ立体的になるのが特色です。更に組み上げの作業は同じ強さで紐を組み上げないと編み目にバラつきが出る為、集中力のいる作業となります。ですが、作業自体は初心者でも挑戦できる単純作業が多い為、近年では観光客の体験イベントとして京くみひも制作は人気があります。
  7. 7.仕上げ 組みあがった紐に飾りの房を付けていきます。紐の両端を手作業で一本一本丁寧にほぐし、房状にします。ほぐした根元をしっかりと縛り長さを整えます。次に蒸気をかけて湯のしし、糸の状態を整えます。
    ころがし台で紐をころがし、編み目を均一に整えます。
    出来上がった京くみひもは多くは帯締めに使用されますが、くみひもをデザイン的な形に「結ぶ」ことにより、調度品の装飾などに用いられます。蝶や吉祥文様など、伝統的なモチーフは古くから身分や吉兆を著す装飾とされ、武具や神具を飾ってきました。また、貴族の家には家ごとに箱の結びの型が決まっており、家人以外の物が結びをほどくと、再度同じように結ぶことが出来なくなる為、防犯の役割も果たしていたとされています。

Leading Ateliers / 代表的な製造元

有限会社  昇苑くみひも ショウエンクミヒモ

染色から製紐、また商品加工に至るまで一貫して自社で行っており、自社商品の製造のみでなくOEMなども承っております。 工芸品としての、繊細な組紐の美しさを身近に感じることの出来る商品作りを目指しています。

Where to Buy & More Information / 関連施設情報

京都伝統産業ふれあい館(京都市勧業館-「みやこめっせ」地下1階)

京都伝統産業ふれあい館(京都市勧業館-「みやこめっせ」地下1階)

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