播州三木打刃物

播州三木打刃物 バンシュウミキウチハモノ

幾重にも焼き鍛えられた刃の輝き
現代にも受け継がれる和鍛冶の技術

Description / 特徴・産地

播州三木打刃物とは?

播州三木打刃物(ばんしゅうみきうちはもの)は、兵庫県三木市周辺で作られている金工品です。信州打刃物や土佐打刃物などと同様に、播州三木打刃物は型に入れて作る「鍛造」という技法を用いて作られる工芸品として、また日本における大きな刃物の産地としても知られています。
播州三木打ち刃物の特徴は、現在も昔ながらの製法で多種多様な刃物が作られているということです。小刀やのみ、カンナなど日用品から建設に使われる工具に至るまで、様々なものが職人の手によってひとつひとつ丁寧に作られています。

History / 歴史

播州三木打刃物のもととされる鍛冶が行われたのは1500年ほど前のことです。日本の大和鍛冶と交流し、百済(くだら)の韓鍛冶職人が当時の三木市周辺に住み着いたことが鍛冶の起源とされています。
しかし、ここから播州三木打刃物として確立していくのは、江戸時代とだいぶ先のことです。江戸時代には、このように既に鍛冶の基盤ができあがっていたため、播州三木打刃物という工芸品が生まれ、また発展していったと言われています。
現存している書物によると、三木で前挽鍛冶が行われ、発展の兆しを見せたのは1763年(宝暦13年)のことです。1760年(宝暦10年)に起きた江戸の大火事によって、大量に木材が必要になり、建設が盛んに行われたことで、鍛冶の需要が一時期伸びました。しかし、播州三木打刃物の存続の歴史はそう容易なものではありませんでした。1792年(寛政4年)には、大阪の販売独占権がなくなったり、1885年(明治18年)頃には西洋の技術の導入により和鍛冶の需要が一気に減少したりと存続の危機に面したこともありました。
現在では、当時の職人たちの努力により、播州三木打刃物の技術は脈々と受け継がれています。

General Production Process / 制作工程

  1. 1.鍛接(たんせつ) 約1,200℃の高温で熱した地鉄(じがね)に、炭素鋼を接合していく工程です。ホウ砂などで作られた接合剤を使って接合していきます。接合において、温度が高すぎると良くないとされていますが、温度が低いとうまく接合されません。そのため、目視しながら温度を調節していきます。
  2. 2.鍛造(たんぞう):穂打ち(ほうち) 鍛造のうち、穂打ちと言われる作業は、穂のついた先にあたる部分を鍛える工程です。このとき、地鉄と炭素鋼がしっかりと組み合わさるように鍛えなければなりません。そのため、炭素鋼がしっかりと巻きつくように、ハンマーなどを使ってしっかりと叩いていきます。鍛えたものはまだ、刃物にしてはまだ大きい状態です。そのため、穂打ちが終わったら、みの一丁、つまり一本分に切断していきます。
  3. 3.鍛造(たんぞう):軸打ち(じくうち) 軸打ちとは、穂の反対部分を鍛えることです。穂の焼きすぎに注意しながら行っていきます。そして、軸打ちが終わったら、柄におさめる中茎(なこご)という部分をつくります。
  4. 4.火造り 鍛造したものは、さらにしっかりと形をつくるために再度火の中に入れていきます。みのは刃先が薄いのが特徴です。そのため、焼き過ぎると強度が低くなってしまいます。火造りを行う際は、950~1,000℃という温度管理をしっかりと行いながら焼いていかなければなりません。そして、火造りしたものは、鍛え直して厚みや幅を調整していきます。
  5. 5.焼き純し(やきなまし) 焼き純しでは、藁灰(わらばい)に入れて、750℃ほどの低い温度で加熱していきます。焼き純しを行うのは、炭素鋼を細かな結晶に変化させ、やすりなどでも加工できるように状態を変化させるためです。
  6. 6.研磨 焼き純しによって、やすりで削れるように充分に炭素鋼を柔らかくしたら、研磨によってさらに形を整えていきます。まず、軸部に丸みがつくよう荒削りを行っていきます。次に裏面の粗すきです。円状に切り抜いた布などに研磨剤を塗り、回転させて磨くバフ研磨で表面を滑らかにしていきます。
  7. 7.焼入れ 研磨した鋼は、再度熱します。今度は、700~800℃ほどの低温で、数分間という短時間です。そして、焼き入れを行ったあとは、素早く水に入れて冷まします。また、焼き入れの際は、これまでの焼きの工程とは異なり、砥(といし)の粉を塗るのが特徴的です。砥の粉を塗ることによって、強度がより均一になり、焼いた後の肌が美しくなります。
  8. 8.焼戻し 焼入れによってできた歪みを取り除いたら、焼戻しを行っていきます。この焼戻しでは、工程が重要です。しっかりと手順を踏むことによって、刃物に艶がうまれます。手順としては、油で焼戻しを行った後に水ですすぎ、150℃程度のソルトにつけて再び焼き戻しを行っていきます。
  9. 9.仕上げ研磨 何度も火にくべられて鍛えられた刃物は、焼戻しのあと仕上げとして、再度研磨が行われます。この最後の工程で、穂や先端部分をしっかりと磨き上げることで、切れ味の良い刃物へと完成していくのです。

Leading Ateliers / 代表的な製造元

株式会社 常三郎 ツネサブロウ

よき伝統である日本の住まいに貢献し、お客様に信頼され、親しまれる鉋造りに信念を持って日々努力を重ねてまいります。

有限会社池内刃物 イケウチ

伝統的技術と新技術の融合で、より切れ味の良い刃物造り日々努力しております。

Where to Buy & More Information / 関連施設情報

三木市立金物資料館

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