長岡仏壇 写真提供:匠の手制作プロジェクト

長岡仏壇 ナガオカブツダン

格調高く荘厳な佇まい
華麗な蒔絵や金箔が美しい

Description / 特徴・産地

長岡仏壇(ながおかぶつだん)は、新潟県長岡市周辺で作られている仏壇仏具です。17世紀頃に起源を持つ伝統的な技法を用いながらも、現代の生活にマッチした新しいデザインを意欲的に発表していることでも知られています。仏間のない家でも、普通の家具と並べて配置できる家具調の仏壇は、手作りの温かみと風格が人気です。
長岡仏壇の特徴は、「三ツ屋根型宮殿(みつやねがたくうでん)」です。仏壇は寺院の本堂を模したもので、内部の中央最上段には「須弥壇(しゅみだん)」という壇があり、その上部の空間を宮殿といい、ここに本尊をまつります。宮殿内には屋根がありますが、この屋根は宗派ごとに異なり、長岡仏壇は東本願寺型の二ツ屋根と西本願寺型の一ツ屋根の折衷形である三ツ屋根の豪華なものです。これは、中央部が凸型で左右の両端が曲線状の凹型に反り返った「唐破風(からはふ)」と、小さな三角形の「千鳥破風(ちどりはふ)」からなる二重屋根の両脇に、「唐破風」の屋根が添えられたものです。
また、長岡仏壇は台座と本体を分離できるように組み立てられているため、製作から数十年たっても塗装し直すことできれいに再生することができます。購入者自身が長年利用できるだけではなく、次の世代に安心して受け継いでもらうことのできる仏壇です。

History / 歴史

長岡仏壇は、17世紀頃に新潟県長岡市を中心とした地域で製作がはじまったと言われています。当時、この地域には寺院や社殿を建立するために、全国各地から優秀な宮大工(みやだいく)や仏師、彫刻師、塗師(ぬし)などが集まっていました。
宮大工は神社や仏閣を建築する大工、仏師は仏像などを作る技術者のことです。寺院や社殿の建立は、気候の良い季節にしかできません。長岡市周辺の冬は長く、降雪量も多いため、冬の間職人たちは仕事がありませんでした。そこで、その期間の内職として、仏壇を製作するようになったと伝えられています。
19世紀に入ると、当時この地を治めていた長岡藩が浄土真宗を保護する政策をとるようになります。その結果、各家庭で先祖の位牌をまつる習慣が生まれ、やがて多くの人が位牌を安置する仏壇を求めるようになったので、またたく間に普及していきました。
こうして、長岡仏壇の製作は地場産業として確固とした地位を築いたのです。

General Production Process / 制作工程

  1. 1.木地(きじ) 最初は木地作りです。木地には、ケヤキ、ヒノキ、ヒメコマツ、ヒバ、イチイ、ホオが使われます。材料となる木の木目をどれだけきれいに見せることができるかが、腕の見せ所です。そのためには、木を見極めなければなりません。木目が細かく揃っていて、長い年月がたっても狂いの出ない木を選ぶことが重要です。木を選んだら、木目を活かすように製材します。
    製材した板を乾燥させたあと、「尺定(しゃくじょう)」と呼ばれる長い棒を用いてサイズを測り、必要な大きさにカットします。尺定は、さまざまな数字や文字が記されている物差しのようなものです。その後、カットした木材を鑿(のみ)や鉋(かんな)で加工し、端に「ほぞ」と呼ばれる凸凹の切込みを入れます。この「ほぞ」を使って組み立てて、全体の構造は完成です。
    木地作りと同時に、宮殿(くうでん)を製作します。宮殿内には特徴でもある「三ツ屋根」がつけられます。
  2. 2.彫刻 彫刻には、いくつもの技法があります。「丸彫り」は、立体感を出すために板の表と裏の両方から透かして彫る技法です。厚さ3センチメートル以上の板を用いて、模様の遠近を考えながら彫刻を施します。その他の技法は、薄い板が厚く見えるように彫刻する「平彫り」や、薄い板を彫って重ねる「重ね彫り」などです。
  3. 3.金具 金具は、銅か銅合金、あるいは真鍮(しんちゅう)の板を用います。これらの板を打ち出して、色をつけて作ります。
  4. 4.塗(ぬり) 木地の工程で組み立てられた本体を、いったん分解して漆を塗り、乾燥させます。乾燥させたあと、表面を研いで、ふたたび漆を塗る作業を何度も繰り返しますが、これは最低でも3ヵ月、一般的には半年かかる根気が必要な作業です。
    塗には、いくつもの種類があります。艶(つや)を抑えた「呂色(ろいろ)塗り」、木目をあざやかに引き立たせる「木目出し塗り」、砂をまぶしてざらざらした表面にする「砂粉塗り」、漆を塗った上に金や銀、錫(すず)の細かい粉末である「梨子地粉」を振りかけて仕上げる「梨子地塗り」、アワビなどの薄い貝を砕いたものをちりばめた「青貝塗り」などです。漆が持つ深みのある光沢と、さまざまな変わり塗りが組み合わされて、美しく気品に満ちた豪華な雰囲気が生まれます。
  5. 5.蒔絵(まきえ) 花や鳥、人物などを手で描きます。基本的な技法は「平蒔絵」で、これは漆でできるだけ薄く絵を描き、金粉などで仕上げるものです。そのほかに、漆を何度も塗って模様の部分を立体的にする「漆盛蒔絵」があります。
  6. 6.金箔押し 漆を塗り終わったものに、純金箔を一枚ずつていねいに貼ります。「艶出し押し」や「艶消し押し」のほかに、蒔絵を描いた地に金粉をちりばめる「金粉蒔(きんぷんまき)」があり、それらを組み合わせることで高級感と華やかさが出るのです。

Leading Ateliers / 代表的な製造元

大平仏壇 オオダイラブツダン

大平仏壇

新潟県長岡市の老舗仏壇店です。仏壇・お墓のご供養、処分や廃棄も承ります。

(有)廣川佛壇店 ヒロカワブツダンテン

その家の宗派、歴史、また地域的に受け入れられるものでなくてはなりません。

Where to Buy & More Information / 関連施設情報

小千谷市伝統産業会館サンプラザ

  • 住所
  • 電話
    0258-83-4800
  • 定休日
    12/29~1/3 ※ただし織之座・匠之座は水曜定休日
  • 営業時間
    9:00~18:00(12月~2月は9:00~17:00)
  • アクセス
    JR上越線・信越線「長岡駅」下車よりバス「小千谷本町中央」下車徒歩1分
  • HP