勝山竹細工 写真提供:岡山県観光連盟

勝山竹細工 カツヤマタケザイク

竹本来の美しさを最大限に生かす
時を経ることで生まれる深い味わい

Description / 特徴・産地

勝山竹細工とは?

勝山竹細工(かつやまたけざいく)は、岡山県真庭市周辺で作られている竹細工の製品です。竹細工は全国各地で生産されており、その材料には孟宗竹(もうそうちく)や破竹(はたけ)などが使われますが、勝山竹細工の原材料には真庭市の周辺に生えている真竹(まだけ)が使用されています。元々は「そうけ」と呼ばれる日常生活や農作業で使う「ざる」が主な製品でした。穀物を入れる「大ぞうげ」、野菜などの作物を運ぶための「みぞうけ」、水切りのために研いだ米を入れる「米あげぞうけ」、軒下に吊るしご飯が痛むのを防ぐ「飯ぞうけ」の4種類が代表的な勝山竹細工として知られています。現在はパンかごや手提げかご、花器など時代に合った製品も盛んに生産されています。
勝山竹細工の特徴は、加工を最低限しか行わない青竹を使用し、丈夫さと使いやすさを実現していることです。真竹を使用する他の竹細工には火であぶったものや煮沸したものを使うこともありますが、勝山竹細工では素材を活かした青竹のまま製品を作る製法を伝統的に行ってきました。
素朴で力強い竹細工は、青竹が持つ自然な美しさが最大限に活かされ、年月を経ると飴色に変化していきます。

History / 歴史

勝山竹細工の製造技術は、1860年頃に確立したと考えられています。しかし、この時期の製品は日常的に使用される道具であったことから、当時の製品で現存するものがほとんどありません。そのため、正確な起源の時期は不明確です。
ただし、1860年(万延元年)に書かれたとされる山谷家の古文書や、1877年(明治10年)の酒屋免許嘆願書の中に、勝山竹細工の製品である竹かごの「張そうき」や、穀物を入れたり運搬したりするのに利用された「亀そふけ」の記述を確認することができます。このことから、遅くとも江戸時代の末期には、勝山竹細工は製品として広く流通していたと考えられます。当時は、竹細工職人を自宅に招き数日間泊まり込みで作業をしてもらい、一年分の製品を作ってもらう家もあったとも伝えられており、竹細工が人々の日常生活や農作業に欠かせないものであったことが伺えます。
中国地方で行商販売され実用性の高さから生活必需品として重宝されていましたが、時代を経るにつれ全国へと広まっていきました。1979年(昭和54年)には、国の伝統的工芸品に指定されました。

General Production Process / 制作工程

  1. 1.切断・竹洗い 勝山竹細工では、原材料の真竹に極力加工を施さずに製品を作るため、竹の選定は非常に重要です。竹は約1年かけて成長した後は、太さも背丈も変わりません。年数によって変わるのは色味や硬さで、竹細工に最も適した竹は、3年から5年ほど年数を経たものです。虫害が少なく高品質な竹を切り出すのに最適な11月から12月にかけて一年分の製品を作る量の竹を切り出します。竹を切り出す際は、竹挽き鋸(たけひきのこ)を使用します。たわしでこすり洗いをし、汚れを落としてから細工を行います。
  2. 2.竹割り 竹割りは、製品の寸法に合わせて竹を割る作業です。この竹割りが最も難しい工程で、竹割り作業の習得には通常2~3年を要すると言われています。まず、竹専用の鉈(なた)を使用して、約1メートルから約5メートルに切断された竹を二つに割る「荒割り」を行います。そして、「荒割り」で割った竹を更に切れ味のよい鉈で細く割っていく「小割り(こわり)」の作業をします。商品のつやに影響するため、鉈の切れ味にも気を遣います。「小割り」で細く切った竹は骨や仕上げの縁の部分に使用されます。また、製品の強度を出すために、「ひご」と呼ばれる竹を数ミリ程度まで割った細い棒を同時に製作します。用途に合わせて厚さを整える「へちり」と呼ばれる工程を経て、「ひご」が製作されます。
  3. 3.編み組 勝山竹細工の基本となる編み方は、「ゴザ目編み」と呼ばれる編み方です。竹の青い部分でできたひごと、白い部分でできたひごを交互に編み込み、シンプルながらも味わい深い表情を作り出していきます。編み組の工程で最初に行われるのは、伝統的に使用されている寸法を基にして枠を決める、「仕かけ」です。枠が決まると、枠に合わせてひごを縦に、骨を横に通します。その次の作業は、骨にひごを通す「中組み」です。この工程では、職人の手さばきによって、美しい模様が生み出されていきます。製品が編み上がったら、仕上げに地元で摂れた葛籠(つづら)を使用して縁を作ります。国の伝統的工芸品に指定されているのは葛籠を使用した製品だけで、淵の部分を針金で仕上げたものは通常の工芸品となります。
  4. 4.完成 工程の大半を職人の手作業で行い、勝山竹細工の製品が完成します。

Where to Buy & More Information / 関連施設情報

岡山県観光物産センター 晴れの国岡山館

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