高山茶筌 写真提供:奈良県

高山茶筌 タカヤマチャセン

一本の竹が幾重にも広がる
わび茶の精神を現代に伝える逸品

Description / 特徴・産地

高山茶筌とは?

高山茶筌(たかやまちゃせん)は、奈良県生駒市高山町で作られている茶筌です。全ての工程が手作業で丁寧に行われており、現在でも国内の茶筌シェアはトップクラスを誇っています。
茶筌とは、茶道でお茶を点(た)てる際に使われる竹で出来た茶道具のひとつで、10センチほどの竹筒の先を細かく裂いて、糸で編んだものです。
室町時代の中頃に誕生して以降、現在では60種類以上もの茶筌が作られており、用途・流派によって使う茶筌の先の穂立ちや竹の種類、糸の色などが異なります。また、抹茶を点てる用途以外でも、茶筌は使われます。有名なものとしては、沖縄のブクブク茶や松江のぼてぼて茶などです。どちらも抹茶を点てる際に使われる茶筌よりも大振りの茶筌を用います。

History / 歴史

室町時代の中頃に高山茶筌は誕生しました。侘茶(わびちゃ)の創始者とも言われる村田珠光の依頼により、鷹山民部丞入道宗砌(たかやまみんぶのじょうにゅうそうせつ)が作ったと伝えられています。しかし、村田珠光・鷹山民部丞入道宗砌ともに資料が少なく、当時の詳しいことは分かっていません。
鷹山民部丞入道宗砌が作った茶筌は、村田珠光によって後土御門天皇(つちみかどてんのう)へ献上されました。茶筌を気に入った後土御門天皇より、「高穗」の銘を賜り、「高穗茶筌」と呼ばれるようになりました。「高穗茶筌」の名称が「高山茶筌」に変わった時期は分かっていませんが、「高穗」にちなんで「鷹山」から「高山」に地名・家名を改めたと言われています。
高山茶筌が地場産業として根付いた背景には、近場に京都・大阪といった消費地が多かったことに加え、近くの山で良質な原料が取れたことがあげられます。

General Production Process / 制作工程

  1. 1.原竹(げんちく) 1~2年寝かせた原料を、必要なサイズにカットします。原料としてよく使われるのは、白竹(はちく)・黒竹(くろちく)・煤竹(すすたけ)の3種類があります。白竹とは、真竹や孟宗竹を加工して表面が白くなったものです。淡竹(はちく)と表現されることもあります。黒竹とは真竹の仲間で、茎の部分が紫褐色をしていることから紫竹(しちく)とも呼ばれます。煤竹(天然)とは100~200年以上囲炉裏の煤でいぶされた竹のことで、独特の風合いを持っています。
  2. 2.片木(へぎ) 穂先を作るための最初の工程です。まず、穂先となる部分の表皮を剥きます。表皮を剥くのは穂先のみで、持ち手の部分は表皮を剥きません。続いて、穂先となる部分を包丁で割っていく作業です。ケーキをカットするように、縦に半分、そのまた半分、さらに半分…と割っていくことで穂先の基準となる部分を作ります。竹の太さにより割る数は異なりますが、最低でも12割、最大で24割です。割り終わったら肉を落とし、薄くします。
  3. 3.小割(こわり) 片木で作った穂先の基準となる部分を、さらに小さく割っていく工程です。割るときは大小、大小と交互に割っていきます。割る数は、どのような完成品を作るか次第で変わります。例として16割で八十本立てを作る場合は、10本に割ります。10本に割ることにより、全部で穂先が160本となります。上がり穂80本、下がり穂80本の八十本立てが完成です。
    なお、「上がり穂」とは穂先の外側にある部分のことで、外側の部分は「下がり穂」と呼ばれます。
  4. 4.味削り(あじけずり) 穂先を作っていく工程です。穂先を湯につけて柔らかくし、穂先がより薄くなるよう根元から丁寧に削っていきます。味削りは、お抹茶の味を左右する重要な工程です。
    なお、穂先の作りは流派によって異なります。例えば、武者小路千家が使う茶筌の穂先は真っ直ぐですが、裏千家の場合は釣り針のようにカーブしているのが特徴です。
  5. 5.面取り(めんとり) 上がり穂の両角を1本ずつ削り取る工程です。角が残っていると、お茶が付着しやすく、また泡の抜けも悪くなります。
  6. 6.下編・上編(したあみ・うわあみ) 面取りの終わった上がり穂を糸で下編した後、根元をしっかり固定するために、糸を二重にかける上編を行う工程です。なお、大抵の茶筌は最も汚れが目立ちにくい黒糸を用います。黒以外ですと、石州流などの白、お祝い用の赤または紅白、仏事用の黄などが挙げられます。
  7. 7.腰並べ(こしならべ) 竹箆(たけへら)を使い、下がり穂や根元の高さ、間隔などを整えていきます。
  8. 8.仕上げ(しあげ) 穂先の乱れや全体の形など、箱詰め前の最終調整を行う工程です。高さや間隔がバラついている場合も、この工程で均等になるよう修正します。

Leading Ateliers / 代表的な製造元

竹茗堂 チクメイドウ

優しさ、思いやりの精神を信条に、高山茶筌は使う人の身になり、製作される綺麗で使い易く長持ちする伝統的工芸品を目指します。

  • 創業
    1633年 (寛永10年)
  • 定休日
    日・祝日(ご連絡頂ければ対応致します)
  • 代表
    久保 左文
  • 営業時間
    10:00~16:00
  • 住所
  • HP
  • 電話
    0743-78-0034
  • 見学
    可 / 受付は15:00頃まで  茶筌見学(抹茶(お菓子付き)) 茶筌製作体験(抹茶(お菓子付き)) 茶杓製作体験(抹茶(お菓子付き))

高山茶筌 左文 タカヤマチャセン サブン

創業以来、いかなる時代が到来しようとも、ただひたすらに使う人の身になって使いやすく、長持ちするようにと念じながら黙々と今日も茶筌作りに勤しんでおります。

  • 定休日
    日、祝日(但し:事前予約の場合は営業致します)
  • 代表
    久保 左文
  • 営業時間
    9:30~17:00
  • 住所
  • HP
  • 電話
    0743-78-0034
  • 見学
    可 / 受付は15:00頃まで  茶筌見学(抹茶(お菓子付き)) 茶筌製作体験(抹茶(お菓子付き)) 茶杓製作体験(抹茶(お菓子付き))

翠華園 スイカエン

翠華園 谷村弥三郎では、約500年の歴史の指頭の技を受け継いでいます。また茶筌、各流儀、茶器製品、各種取り揃えております。

Where to Buy & More Information / 関連施設情報

奈良県商工観光館 - 展示即売場(きてみてならSHOP)

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