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松本家具 マツモトカグ
ミズメ(ミズメザクラとも呼ばれる)などの良質な木材を用い、厚みのある無垢材と堅牢な指物技術で仕上げる重厚な家具が特徴。木目の美しさを生かした拭き漆や塗装により、使い込むほど風合いが深まります。1976年(昭和51年)、国の伝統的工芸品に指定されました。
Description / 特徴・産地
松本家具とは?
松本家具(まつもとかぐ)は、長野県松本市を中心に作られている木製家具です。1976年(昭和51年)2月26日に、国の伝統的工芸品に指定されました。
松本地方は豊かな森林資源に恵まれ、古くから木工や家具づくりが盛んな地域として発展してきました。松本家具には、ミズメ、ケヤキ、ウダイカンバなどの木材が用いられ、木の性質や木目を見極めながら、用途に応じて使い分けられます。
大きな特徴の一つが、木材同士を精密に加工して組み合わせる伝統的な接合技法です。ほぞ接ぎや組手などを用いて部材をしっかりと組み、丈夫な構造に仕上げます。金具も製品に合わせて加工され、家具全体の機能と意匠を支えます。
表面には拭き漆などの漆仕上げが施され、木目の美しさを生かしながら、落ち着いた色合いと艶を引き出します。
戦後には、こうした伝統的な木工技術に民藝運動の思想や欧米家具のデザインが取り入れられ、「松本民芸家具」として新たな展開を見せました。ウインザーチェアをはじめとする椅子や、箪笥、食器棚、机、テーブルなど、和洋の生活空間になじむ幅広い家具が作られています。
現在も、良質な木材と手仕事による接合、漆仕上げなどの伝統技術を受け継ぎながら、長く使うことを前提とした家具づくりが続けられています。
History / 歴史
松本家具の歴史は、16世紀後半、松本城を中心に城下町が形成された頃に始まったとされています。城下町の整備とともに木工職人が集まり、建具や調度品などの製作が行われるようになりました。
江戸時代には、松本藩の城下町として町が発展するにつれて家具の需要も増え、木工技術が地域に定着していきました。江戸時代後期になると、武家だけでなく一般の人々が日常生活で使う箪笥や棚などの家具も盛んに作られるようになりました。
明治時代以降、交通網の整備によって松本家具の販路は地域外へ広がりました。大正時代末期には和家具の一大産地として発展し、全国的にも知られるようになります。
しかし、第二次世界大戦前後には物資不足や社会情勢の変化によって家具生産が大きな影響を受けました。
戦後の1948年(昭和23年)、池田三四郎は柳宗悦の講演に触発され、松本に残る木工技術を生かして新たな家具づくりに取り組みました。柳宗悦、濱田庄司、河井寬次郎ら民藝運動に関わる人々との交流を通じて、松本の家具づくりは民藝の思想を取り入れながら発展していきます。
1950年代には、英国の陶芸家バーナード・リーチらとの交流を通じて、ウインザーチェアなど欧米の伝統家具の造形や技術も取り入れられました。これらを松本に受け継がれてきた木工技術と融合させた家具は、「松本民芸家具」として広く知られるようになりました。
1976年(昭和51年)2月26日には、「松本家具」が家具分野で初めて国の伝統的工芸品に指定されました。
現在も松本では、伝統的な木工技術と漆仕上げを受け継ぎながら、椅子、テーブル、箪笥、棚など幅広い家具が作られています。
Production Process / 制作工程
写真提供:信州・長野県観光協会
- 1.木材 松本家具の製作は、木材を選ぶところからはじまります。主用材として使われるのはミズメザクラで、ほかに楢、栃、欅など国産の落葉高木を材の特徴や木目の美しさなどに照らして家具のどの部分に使うのか丁寧に選り分けます。
- 2.天然乾燥 選定された木材は製材所で切り分けられた後、天然乾燥します。木材の種別、厚みによって浅積、積み替えを行いながら約6ヶ月間乾燥させ、含水率を30%以内まで落とします。特に厚みのあるものは2年、5年、長いものでは10年野積みして自然乾燥をさせます。
- 3.人工乾燥 天然乾燥で含水率が30%以内まで落ちついた木材に人工乾燥を施します。基本的に同じ種類の木材を積み込み、乾燥機で70〜80時間かけて調整乾燥を行うと、含水率は30%から8〜9%まで低下します。その後、家具としての使用に耐えられるよう、1ヶ月ほどシーズニングをします。
- 4.図案設計 松本家具は職人の手によって1枚1枚手書きされます。下絵から縮図、原寸図、詳細図を丁寧に書き起こし、それをもとに型紙、型版を作ります。このとき、家具そのものだけでなく、家具が実際に使われる場面や生活の中に調和するかどうかを思い描きながら図案を引きます。設計図の中で重要な部分については実物の型を作って検討することもあります。
- 5.木取加工 図案設計が終わるといよいよ木取加工を行います。まず、木取職人が家具の用途にあった木材を選び、墨付けをします。木取加工の段階では、木材の横と縦、曲線から厚み幅の小割まで作業をします。
- 6.錺(かざり)金具 一方で、家具に取り付ける錺金具の加工をします。原料となる銅や鉄を型紙、型版に従って切断しある程度形を整えたあと、手鑢をかけて丁寧に完成型にします。抽斗の引手部分など特殊な形のものは火造りで形が出されます。いずれも、漆や真綿の焼き付けで着色し、ロウで磨き上げることによって輝きを放ちます。
- 7.木地加工 木取りされた木材を実際に組み立てられる状態にするのが木地加工で、これは松本家具職人の間に伝統的に受け継がれる技法によって接手と組手を作る工程です。家具の各部位には、「違胴付留ホゾ差鯱栓接(ちがいどうつきとめほぞさししゃちせんつぎ)」、「腰付鋲ホゾ接割楔内(こしつきびょうほぞつぎわりくさびうち)」、「前留蟻組接(まえどめありくみつぎ)」など、それぞれに適した組接技法が用いられます。
- 8.組立加工 家具の各部位に接手と組手がつけられたら、仮組に入ります。仮組は本組の前に必ず通る重要な工程です。本組に入ると、組手と接手の不具合や不良加工部分が露見しても、調整加工をすることができません。そのため、仮組段階でのチェックはより入念になされます。一通り調整が済んだら糊付けして本組を行い、目地払をして木地ができあがります。
- 9.塗装 組立加工で家具の形が出来上がると、塗装職人によって塗装が施されます。ラッカー塗装、拭漆塗の2種類の加工方法がありますが、耐久性に優れる拭漆塗が主となっています。塗装は手塗りで最低でも8回は重ね塗りをしますが、これだけの手間をかけることによって長年の使用にも耐える美しさと、味わい深さが出るのです。
- 10.仕上加工 最後は家具を仕上加工します。錺金具やろくろ挽部材を施し、扉や抽斗などの各部位を取り付けて加工は完成します。そして、機能の点検や最終調整を行い拭き上げをすると松本家具の出来上がりです。
Representative Manufacturers / 代表的な製造元
松本民芸家具 マツモトミンゲイカグ
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創業1944年 (昭和19年)
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住所
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HP
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電話0263-33-5760
Facility Information / 関連施設情報
松本民芸館
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住所
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電話0263-33-1569
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定休日月曜日(祝日の場合は翌日休)、12/29~1/3
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営業時間9:00~17:00
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アクセスJR松本駅前バスターミナルから美ヶ原温泉線「松本民芸館」下車徒歩3分
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HP
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