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一位一刀彫 イチイイットウボリ
岐阜県飛騨地方のイチイを用い、彩色をせず、ノミの彫り跡と木目そのものの美しさを生かす一位一刀彫。赤太と白太が織りなす自然な色合いと、一刀ごとに刻まれる力強く繊細な造形が魅力です。1975年(昭和50年)、国の伝統的工芸品に指定されました。
Description / 特徴・産地
一位一刀彫とは?
一位一刀彫(いちいいっとうぼり)は、岐阜県高山市、飛騨市、下呂市を中心に作られている木工品です。1975年(昭和50年)5月10日に、国の伝統的工芸品に指定されました。
原材料には、岐阜県の県木でもあるイチイを用います。イチイはきめが細かく、粘りがあり、細かな彫刻に適した木材です。
一位一刀彫の大きな特徴は、彩色を施さず、イチイそのものの木目や色合い、ノミによる彫り跡を生かして仕上げることです。
イチイの幹は、中心部の赤褐色を帯びた「赤太」と、樹皮に近い淡い色の「白太」に分かれています。職人は木取りの段階から木目の流れや赤太・白太の位置を見極め、作品の形や表情に生かします。
制作では、原木を十分に乾燥させた後、作品に適した部分を切り出します。荒彫り、中彫り、仕上げ彫りと段階を追ってさまざまなノミを使い分け、最終的にも彫り跡を残しながら形を整えます。
年月を重ねるにつれて、イチイの木肌は次第に落ち着いた茶褐色へと変化し、艶を増していきます。
主な製品には、置物、面、茶道具、根付などがあり、動物や人物、仏像、干支などさまざまな題材が彫られています。
History / 歴史
飛騨地方では古くから木工技術が発達してきました。奈良・平安時代には「飛騨の匠」と呼ばれる木工技術者が都へ赴き、寺社や宮殿の造営に携わったことが知られています。
こうした木工・彫刻の伝統は、その後も飛騨地方に受け継がれ、高山祭の屋台彫刻などにも高度な技術を見ることができます。
現在の一位一刀彫につながる技法は、江戸時代末期に高山の根付彫刻師・松田亮長によって確立されたとされています。
松田亮長は各地の彫刻を研究する中で、彩色によって木肌が隠れることなく、素材そのものの美しさを生かす木彫を目指しました。そこで、木目や赤太・白太の色合いが美しく、彫刻にも適した飛騨のイチイを用い、彩色を施さない独自の木彫表現を発展させたと伝えられています。
当初は根付などの小型の彫刻が多く作られましたが、その技法は飛騨の彫刻師たちへ受け継がれ、置物、面、茶道具などさまざまな作品へ広がりました。
高山市では、松田亮長のほか、同時期に活躍した根付彫刻師・平田亮朝らも、一位一刀彫の発展に関わった人物として紹介しています。
1975年(昭和50年)5月10日には、「一位一刀彫」が国の伝統的工芸品に指定されました。
現在も高山市、飛騨市、下呂市を中心に、イチイの木目と色合いを生かし、彩色を施さずノミの彫り跡を残す伝統的な技法が受け継がれています。
Production Process / 制作工程
- 1.木取り
自然乾燥させたイチイから、木目の出方、赤太と白太の色合いを見極めて、デザインや製品の形態に合う素材を選びます。着色をしない一位一刀彫は、木の風合いの見せ方が非常に重要です。素材が決まったら必要な大きさに切り出します。
木取りは、作品の寸法を採り、電動ノコギリなどを用いて原木を大まかな形に切っていく作業です。型紙を用いることもあります。 - 2.荒取り 一位一刀彫は置物や面、小物などさまざまな作品が作られており、大きさも様々です。荒取りでは作品のイメージに沿って、大体の輪郭を作ります。
- 3.荒彫り 一位一刀彫の工程は、そのほとんどが彫る作業で、工程によって丸ノミやツキノミなど何種類もの刃物を使い分けます。荒彫りでは大胆に木を彫り進めて、作品のイメージを大まかな形にします。その後は2日~3日乾燥させてから、次の工程に移る場合もあります。
- 4.中彫り イメージをより形に近づけるように、大小のノミを使いながら彫り進めていきます。全体のバランスに気をつけながら、部分を彫ることが大切です。
- 5.仕上げ彫り 細かで繊細な部分まで、丁寧に彫り上げていきます。一位一刀彫は彫った跡をそのまま残すため、一刀一刀が作品に大きく影響し、職人の技術が問われるのです。作品によっては、一週間以上の時間がかかることもあります。
- 6.ロー仕上げ 最後に溶かした白ローを塗り、乾いた布で磨きます。ローは手垢や木の割れを防ぐためであると同時に、イチイの木の油気を引き出す効果があります。年月が経つと艶が出て、光沢感が増していく点も一位一刀彫の魅力です。
Representative Manufacturers / 代表的な製造元
津田彫刻 ツダチョウコク
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住所
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電話0577-32-2309
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見学不可
Facility Information / 関連施設情報
飛騨地域地場産業振興センター常設展示場
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住所
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電話0577-35-0370
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定休日12/28~1/3
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営業時間9:00~17:00
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アクセスJR高山本線「高山駅」より徒歩5分
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HP
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