南木曽ろくろ細工 写真提供:信州・長野県観光協会

南木曽ろくろ細工 ナギソロクロザイク

職人がカンナで滑らかに削り作り上げる
木目を生かした自然な味わいの作品

Description / 特徴・産地

南木曽ろくろ細工とは?

南木曽ろくろ細工(なぎそろくろざいく)は、長野県木曽郡南木曽町周辺で作られている木工品です。18世紀前半に誕生した伝統工芸品で、ろくろ細工という特殊な技によって製作されます。
ろくろ細工とは、輪切りにした原木を、ろくろの上で回しながら、カンナで挽いていき白木製品と呼ばれる木工品を削りだす手法です。この技術は、手仕事によって行われるため、職人には高度な技術が必要で、木を知り尽くした木地師(きじし)と呼ばれる職人によって作られます。
南木曽ろくろ細工の特徴は、このろくろ細工によって生み出される木目を、自然の美しさをそのままに引き出している点です。木地鉢、茶櫃(ちゃびつ)などが主に作られますが、木の木目や木質、全体の雰囲気などを観察し、木によって作る製品を決めています。南木曽という豊かな森林から採れる名木がろくろ細工が親しまれる根源になっています。

History / 歴史

南木曽ろくろ細工 - 歴史 写真提供:信州・長野県観光協会

南木曽ろくろ細工の盆などの木地製品が、名古屋や大阪に出荷していたことが記録されていることから、18世紀前半が始まりと言われています。しかし、木地ろくろ細工を作る木地師たちは1500年代には、当時発行された木を切るための免状が残っていることから、存在していたと考えられています。
当時の近江の国(現:滋賀県)が発祥の地とされていて、日本全国で、木地師たちはろくろ細工を作るために原料となる名木を切り、白木の製品を作成していました。彼らが、南木曽にもやってきたことで、現在の南木曽工芸品は有名になったのです。
江戸時代中期に、白木の挽き物が作られていたことも記録されています。南木曽にはその後、木地師たちが集まった集落ができて、木地師の里と呼ばれるようになりました。近代化の流れとともに、機械を使わず全てを行う職人は少なくなり、現代では電動ろくろを用いて作業することが一般的となりました。

General Production Process / 制作工程

  1. 1.選木 南木曽ろくろ細工はすべての工程を一人の職人が行います。まずは、選木から行います。原木に使用される木は、トチ、ケヤキ、セン、カツラなどの木曽で育つ木々です。作る製品は木の質によって変化するため、原木を選び出す作業は入念に行われます。そして、原木の皮をはいだら道具を使って汚れを落とし、木口面や表面を細部まで観察することで、伐採時期や成長過程、木のもつ特徴を探していきます。
  2. 2.木取り(玉切り~荒挽き) 選木が終わると、玉切りという、原木を輪切りにする工程です。輪切りにしたら、切った面を上にして挽き割りを行います。挽き割り後の木材は、丸めという円形、楕円形にする工程です。木目を生かすように気をつけながら外側を切り落とします。最後はろくろを用いて、厚めにカンナで荒挽きを行います。
  3. 3.乾燥 荒挽きしたら、すぐに次の工程に行くことはできません。木材の堅さを上げるために時間をかけて乾燥させ、不要な水分を出すことが必要です。ストーブやいろりを設置した場所に、木材を並べていき3カ月ほど乾かします。大きさによって乾燥させる時間は異なり、大きい木材になってくると3年という長期間を費やすことも必要です。乾燥させる時間は含水度で判断するため、頃合いを見て計測し10%になれば乾燥を終えて、自然の中に置き、外気ならしをします。含水度が12%まで戻ったら完了です。
  4. 4.仕上挽き 含水度が戻ったら、ろくろで仕上げ面を滑らかにする作業です。カンナを用いて削っていきますが、この工程は鍛錬された技術が求められます。ろくろに当てる刃の角度や削り方は、簡単に身に付くものではないため、長い経験の積み重ねでしか習得できません。また、カンナにもさまざまな種類がありますが、木地師の職人たちは、一つひとつ挽く製品に合わせて、カンナを自ら造っています。荒仕上げで形を大まかに削るためのカンナや、仕上げ挽きで用いるカンナ、最後の仕上げで使うシャカカンナなどをバランス良く使用します。カンナで仕上挽きされた木材には、最後に紙やすりでしっかりと整えていくことが重要です。
  5. 5.トクサ磨き・漆拭き カンナと紙やすりで整えたら、最後にトクサ磨きというトクサやスグキワラを用いる水磨きか、天然漆で磨いていく漆拭きのどちらかを行います。漆拭きでは漆拭き製品、トクサ磨きでは木目を生かした白木製品となります。2つの仕上げ方はどちらも素朴で自然の魅力を引き出す方法です。滑らかな表面はろくろ挽きでしか味わえない特徴で、造られた茶びつや椀、盆などは、木のぬくもりを感じさせてくれます。

Leading Ateliers / 代表的な製造元

有限会社野原工芸 ノハラコウゲイ

伝統を現在に受け継ぐ南木曽ろくろ細工。 時代と共に使う器のカタチも変わってきましたが、手作りの良さはかわりません。一つ一つこだわり抜いて制作しております。

有限会社ヤマイチ小椋ロクロ工芸所 ヤマイチオグラロクロコウゲイショ

木地師の里ヤマイチは長野県南木曽町、妻籠宿にも程近い山村にて、南木曾ロクロ細工[木工品]の展示・販売・観光制作体験を行なっております。

けやき工房 カネキン小椋製盆所 ケヤキコウボウ カネキンオグラセイボンショ

カネキン小椋製盆所は、伝統工芸品である南木曽ろくろ細工で、寿司作りでは欠かせない木の鉢、こね鉢、おわん、サラダボール、フリーカップやオーダー家具を作成・販売を行っています。

Where to Buy & More Information / 関連施設情報

木曾くらしの工芸館