輪島塗 写真提供:石川県観光連盟

輪島塗 ワジマヌリ

光沢感のある堅牢な漆器
100を越える工程を経て世に出される逸品

Description / 特徴・産地

輪島塗とは?

輪島塗(わじまぬり)は石川県輪島市で作られている漆器です。輪島塗の特徴は、輪島市でしか採れない輪島地の粉を使用していることにあります。
輪島で採れる地の粉は良質な土で、下地に使用することによって、より強度の高い漆器にすることが可能になりました。そして、見た目の美しさも輪島塗の魅力です。
輪島塗では、彫りを入れた部分に金を入れ込んだり、金粉と銀粉を用いた蒔絵という表現が良く知られています。金や銀を用いた見た目の優美さは人目を惹く魅力があります。寿命の長さにおいても、輪島塗は優れた漆器です。輪島塗は、100を超える工程を経ては初めて世に送り出されます。そのためより強固になっているだけでなく、壊れたとしても修復することができます。

History / 歴史

輪島塗 - 歴史

輪島塗の起源については、室町時代に根来寺(ねごろじ)の僧が伝えたという説や、戦国時代に豊臣秀吉の兵火より逃れた根来寺の僧が伝えたという説など様々な説があり、現時点では定かでありません。ただし多くの言い伝えで共通している部分は、日用漆器として使用されていた根来塗(ねごぬり)が由来となっている点です。日用漆器が発展して、輪島塗となったという説も有力です。
現在の輪島塗に近い形態になったのは、江戸時代前期、寛永7年(1630年)ごろのことです。さらに、江戸時代の中期にあたる享保2年~元文4年(1716~1736年)頃にかけては、現在の工程とほとんど同様の工程になっていたと言われています。
現在では、優美で少し高級志向のある輪島塗ですが、昭和以前のイメージは現代とは異なりました。どちらかというと、冠婚葬祭で用いられる堅牢な実用品として用いられることが一般的だったからです。しかし、冠婚葬祭の形態の変化や昭和50年(1975年)の国の伝統工芸品指定から、現代では芸術的な意味合いも持つようになりました。

General Production Process / 制作工程

  1. 1.木地 木地づくりとは、漆などを塗る前のお椀などの原型を作る作業のことです。輪島塗では主に、ケヤキやミズメサクラの木を使用しますが、原料の木を伐採し2~3年放置してしっかりと幹まで枯らしてから使います。しっかりと枯らしたら、材質などを見て木を切り出し、荒削りでだいたいの形にする作業です。輪島塗は荒削りをした後、すぐに本削りは行いません。オガクズを燃やして燻煙乾燥させたうえで、さらに数ヶ月から1年ほど自然乾燥を行います。しっかりと乾燥させたら、はじめて形を整える作業へ進みます。荒挽き、外挽き、内挽き、底挽きと徐々に細かい部分までかんなやろくろなど専用の道具を使って形を整えていきます。
  2. 2.下地 次に下地作りの作業です。輪島塗では、地の粉などを使った独特の下地作りを行います。まずは切彫りです。木を削った状態だと割れ目から破損しやすくなりますが、割れ目を少し彫り、下地を塗って補強していくことで、より強固な漆器に仕上がります。お椀などで破損しやすい部分については「着せもの削り」といって、布をあてがって補強していきます。割れ目などの破損しやすい部分を中心に丁寧に下地を塗り重ねて行くことで、輪島塗特有の頑丈な漆器ができあがります。破損しやすい部分の補強が終わったら、生漆と砥粉をまぜた下地を全体的に塗っていきます。
    全体的に下地を塗ってしっかりと乾燥させたら、砥石などを使って漆器を整えていきます。形が整ってきたら地研ぎです。地研ぎとは水を使った作業で、次に塗る漆をしっかりとのせるために行ないます。
  3. 3.上塗 上塗とは、下地の上から均一に漆を塗っていく作業のことです。使用する漆は、木地づくりや下地づくりなどと並行して作ります。まずは、漆の幹に少し傷をつけて漆筒という入れ物に集めます。漆が採取できるのは6月から10月にかけてです。漆は1本につき200gほどしか採取できないため、1日何百本の木から採取することもあります。採取してきた漆をろ過にかけます。漆だけでなく、木の皮など目に見えない異物も含まれているからです。その後、遠心分離機にかけて不純物が取り除かれ、生漆にします。輪島塗では、生漆のままでは使用しません。生漆のままだと数年で色褪せてしまうため、熱を加えたり練ったりと手間を加えて「なやし」と呼ばれる状態にまで仕上げます。なやしまでの工程を行うことで、何百年色落ちしない強固な漆器を作れます。
    上塗をする際はチリやほこりがあるといけないため、ゴミが舞わない適温適湿の専用の部屋で行います。職人の注意深さや技が試される工程です。無地のものは上塗りで作業完了になります。
  4. 4.加飾 つやを出すための作業である呂色を、上塗りの後に行います。傷をつけないように、細かい研磨材で丁寧に磨いていきます。
    呂色を施した漆器は、蒔絵や金銀などを押し込む沈金などの方法によって、装飾が施されていきます。蒔絵や沈金を施すことによって、より優美な輪島塗が完成します。

Leading Ateliers / 代表的な製造元

株式会社 太王漆器商会 カブシキガイシャ ダイオウシッキショウカイ

当店は創業以来、輪島塗の製造販売一筋。下地塗りから上塗り加工まで一貫して自社工房で行い、常に最高品質の「本物」をお客様にお届けします。

藤八屋 トウハチヤ

藤八屋

明治中期の創業時より、注文生産にて業務用の割烹、寿司、鰻、蕎麦の器を製作してきました。 お客様との対話を大切にし、製作から修理に携わるだけでなく、取り扱い方やコーディネートについてのご相談も承ります。 また、個人のお客様の一品からのご注文も喜んで承ります。 お気軽にご相談ください。

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Where to Buy & More Information / 関連施設情報

石川県輪島漆芸美術館

石川県輪島漆芸美術館 写真提供:石川県観光連盟

  • 住所
  • 電話
    0768-22-9788
  • 定休日
    年末、展示替えによる臨時休館日
  • 営業時間
    9:00~17:00
  • アクセス
    ・徒歩:道の駅・輪島「輪島駅前」約15分 ・バス:金沢駅から北鉄奥能登バス輪島特急 約120分。道の駅・輪島「輪島駅前」下車。乗換え、のらんけバス 海コース 約10分。
  • HP

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