美濃焼

美濃焼 ミノヤキ

良質な陶土が育んだ日本最大の陶磁器の生産地
志野・織部・黄瀬戸などの総称

Description / 特徴・産地

美濃焼とは?

美濃焼(みのやき)は、岐阜県の東濃地方で作られている焼き物です。歴史と伝統に支えられながら、現在の生活にも溶け込んでいます。
美濃焼の特徴は多様な種類が存在することです。美濃焼は1つの様式を持たず、15種類が伝統工芸品として指定されています。
代表的なものは千利休によって確立され古田織部の美学によって作られた「織部」です。主に瀬戸黒天正年間に焼成されたため、天正黒・引き出し黒という呼称もあります。緑釉(りょくゆう)の深い色と個性的な形、幾何学的紋様の装飾が魅力で、作風によって黒織部・青織部・総織部などの種類があります。また「志野」は、釉薬(ゆうやく)の下に絵付けが施されたという点で、日本の陶器の歴史上で画期的な焼き物とされています。薄紅色が美しく、長石釉(ちょうせきゆう)による気泡状の風合いがある志野の最盛期は桃山時代でした。
人間国宝の荒川豊蔵が尽力し、江戸時代にいったん姿を消した志野を再現し、現代にも息づいています。同様に近代になって再注目された「黄瀬戸(きぜと)」は、控えめで素朴な趣きがあり、人気のある美濃焼です。

History / 歴史

美濃焼 - 歴史

美濃焼は、5世紀頃に朝鮮半島から須恵器とろくろ、穴窯が伝えられたことを機に始まります。平安時代には、灰釉(かいゆう)を施した白瓷(しらし)という、須恵器を改良し釉薬(ゆうやく)を使った陶器が焼成されました。安土桃山時代から江戸時代はじめまでは、茶の湯文化を反映した芸術性の高い焼き物が多く生産され、織部や志野、黄瀬戸など美濃焼を代表する焼き物が隆盛を極めました。
17世紀後半からは生活雑器が生産され、磁器の白さをめざす白釉を施した「太白」が焼成されます。江戸時代末期には磁器の製造が始まり、透光性をもつ長石質磁器が作られました。
明治時代に入り、染め付け顔料の唐呉須(とうごす)の輸入開始により発色が安定し、銅板やスクリーンプリントなど様々な技法が開発されました。明治時代中頃には日常生活雑器の生産を開始し、低コストを実現するために製品別分業が発展します。大正時代末期には、電気の供給開始により機械化が進み生産規模を拡大し、窯も登り窯から炭釜へと変容しました。昭和時代に入ると、高級品の生産やタイル製造もはじまり、美濃焼は名実共に日本一の生産量を誇る焼き物となったのです。

General Production Process / 制作工程

  1. 1.土練り 固さ、水分が十分に均一になった土を、少しずつ回転させながら練ります。回転させるのは、中の空気を抜くためです。練った後が菊の花びらに見えるため、土練りは「菊練り」とも言われます。
  2. 2.成形(せいけい) 美濃焼は主にろくろ、手ひねり、またはタタラ成型で作られます。原型から使用型まで多種多様な型を使用して、量産するのです。「い込み成型」は、凹の石膏型に泥状の粘土を入れて作ります。「圧力い込み成型」は、圧縮空気によって粘土泥を石膏型に送って成形する方法です。その他にも、「機械ろくろ成型」「全自動成型」「プレス成型」などの型を用います。
  3. 3.乾燥 成形した後、削るなどの作業が終わったら、素焼きを行う前にゆっくり乾燥させます。乾燥の方法は、「陰干し」あるいは「天日干し」です。模様の貼り付け、金櫛・竹櫛で模様を描くなどの素地の装飾や厚さ、作品の大小で乾燥に必要な時間が異なります。それぞれ適正な時間をかけて充分な乾燥が必要です。
  4. 4.素焼き 素焼きは原料の土の水分をとばし、可燃物を燃やして強度を上げる工程です。700度~800度の温度で時間をかけて焼成します。素焼きをすることによって、釉薬がかけやすくなるのです。
  5. 5.下絵付け 下絵付けは施釉(せゆう)の前に行う工程で、釉薬の下に絵を描くことです。乾燥させた生地を素焼きしたものに、好きな色の顔料を使って絵付用の筆で描いていきます。主な顔料は、コバルトや鉄、銅などです。描き終わったら上から「透明釉」をかけていきます。「誤須」とよばれる酸化コバルトを使用すると藍色に発色し、「鉄」で描いたものは 茶褐色や黒褐色に発色をするのが特徴です。
  6. 6.施釉(せゆう) 素焼きした作品に、釉薬をかけることを施釉といいます。釉薬は焼くと溶けて、表面にガラスのような膜を作るため、透水性がなくなり硬度が増すのです。色を付け、光沢を与えて作品を装飾する役割をします。釉薬の基本は、灰釉・長石釉・鉛釉の3つの種類です。この基本に鉄や銅、金属を加えて、いろいろな釉薬ができます。 施釉の主な手法は、「ずぶがけ」・「ひしゃくがけ」・「スプレーがけ」などです。
  7. 7.本焼(ほんやき) 施釉後に高温で行う焼成(焼成)が、本焼(ほんやき)です。窯詰め(かまづめ)は丁寧に行い、窯全体が均一の密度になるように慎重に置いていき焼きあげます。主な窯の種類は、登り窯、ガス窯、電気窯などです。
  8. 8.上絵付け(うわえつけ) 上絵付け(うわえつけ)は、本焼した後に、上絵用の絵の具を用いて絵や文様を施すことです。赤絵・色絵・五彩の上絵付があります。絵具は、鉄・銅・コバルト・マンガンなどの金属にソーダや鉛などをプラスして調合したものです。繊細な線を書き込んだ後、色が飛ばないよう本焼よりも低い700~800度で焼成を行います。
  9. 9. 完成 最後の焼成が終了後、やすりがけを施して仕上げます。

Leading Ateliers / 代表的な製造元

蔵珍窯 ゾウホウガマ

技術と感性を高め、赤絵・染付・織部・青釉といろいろな技法の器をつくり、食卓を華やかで楽しい空間にする。 そのような思いを込めて、今までも、そしてこれからも新しい「器づくり」に挑戦していきます。

美濃焼 秀峰 ミノヤキ シュウホウ

先人の知恵・教えが現代の生活を豊かにするものであると信じ、織部などの美濃焼の伝統を守りつつ現代に溶け込んだ食器作りを志しています

Where to Buy & More Information / 関連施設情報

土岐市美濃焼伝統産業会館

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