
- 陶磁器
- 鹿児島県
薩摩焼 サツマヤキ
象牙色の器肌に細かな貫入と華やかな絵付けを施す「白薩摩」と、鉄分を含む土が生む重厚で素朴な「黒薩摩」が特徴。対照的な美しさと多彩な表現が、薩摩焼ならではの魅力です。2002年(平成14年)、国の伝統的工芸品に指定されました。
Description / 特徴・産地
薩摩焼とは?
薩摩焼は、大きく「白薩摩」と「黒薩摩」に分けられます。歴史的には染付や三彩釉などの磁器も作られ、多様な系統へ発展しました。
薩摩焼の特徴は種類が多く、竪野系、龍門司系、苗代川系、西餅田系、平佐系、種子島系と呼ばれる複数の系統に分かれて発展してきました。
白薩摩は、ややベージュがかった素地に透明釉を掛け、表面に「貫入」と呼ばれる細かなひびが現れることが特徴です。
黒薩摩は、黒・茶・緑などの釉調を生かした素朴で力強い陶器で、黒茶家などの酒器をはじめ、皿や鉢、湯呑などの日用器が作られています。
歴史的には染付や三彩釉などの磁器も作られましたが、現在の薩摩焼は白薩摩と黒薩摩を中心に受け継がれています。
薩摩焼の産地は主に鹿児島県鹿児島市、指宿市、日置市等になり、薩摩焼は歴史的に苗代川系、龍門司系、竪野系など複数の系統に分かれて発展し、現在も鹿児島県内各地の窯元で多様な作品が作られています。
History / 歴史
薩摩焼の歴史は、文禄・慶長の役(1592~1598年)を契機に始まったとされています。これは日本が朝鮮出兵をした戦争ですが、別名「焼き物戦争」と呼ばれ、島津氏の武将・島津義弘が朝鮮半島から伴った陶工数十名が鹿児島各地に上陸し、薩摩焼の基礎が築かれました。
朝鮮陶工の朴平意(ぼくへいい)や金海(きんかい)らは、各地に窯を築き、それぞれの土地の原料や技術を生かした多様な焼き物を生み出しました。こうした窯場がそれぞれ発展し、薩摩焼の多様な系統が形成されました。
現在の薩摩焼は伝統を受け継ぎ、現在も、朝鮮陶工から受け継がれた技法や文化的背景を大切に守る窯元があります。沈壽官(ちんじゅかん)の窯は美山にある窯場で朝鮮の独特の風俗を受け継いだ色絵薩摩の里です。また、朴平意の末裔が引き継ぐ荒木陶窯は祖先から伝わる左回しのろくろなど、独自の技術を受け継いでいます。
1867年(慶応3年)のパリ万国博覧会では薩摩藩が薩摩焼を出品し、海外で高い評価を受けました。明治時代には「SATSUMA」の名で輸出が拡大し、世界的に知られるようになりました。
Production Process / 制作工程
- 1.坏土(はいど)づくり 数種類の陶土を細かく砕いて調合し、成形に適した坏土(はいど)を作ります。原料を細かく砕いて調合していきます。黒もんと白もんは坏土に使う土の種類が異なります。白もんは坏土することにより、来褐色の陶土となり、黒もんは茶褐色の陶土になります。主原料となる白土とその他の土を巧みに配合することで、磁器と陶器のどちらともつかない風合いを出していきます。
- 2.水簸(すいひ) 白もんでは、土をこねては水に溶かし沈殿を集めて乾燥させては土を取り出す水簸(すいひ)と呼ばれる作業を繰り返して繊細な陶土を作っていきます。黒もんは土の素朴な風合いを大切にするため、水簸の工程は行いません。水簸で繊細な粒子を作ることにより、表面が滑らかな白もんの原型が作られます。
- 3.成形 ろくろを使って成形していきます。手で作る手ひねり等もあり石膏型や素焼き型を使う型起こし等、窯場によって独自の成形をしていきます。現在ではろくろを使った成形が主流になってきています。
- 4.乾燥・成形の仕上 仕上げまでの少しの間乾燥させます。おおまかに乾燥したところで、カンナで削ったり、彫ったりして形を整えていきます。黒もんの場合には、透かし彫りや浮き彫り、へら等による加飾で装飾をあしらうこともあります。白もんは焼き上げた後に装飾の工程に入ります。
- 5.乾燥 成形して仕上げたものを天日で乾燥させます。作品によっては熱風乾燥により、十分水分を抜いていきます。
- 6.素焼 750~850℃の窯で15〜16時間程度素焼きします。素焼きで表面を硬くすることで、釉薬ののりがよくなります。素焼き後冷やしてから、表面のざらつきを落としなめらかにします。
- 7.施釉 白もんには透明の釉薬を使います。主に、浸掛・流し掛の手法を施します。黒薩摩では、黒釉、褐釉、飴釉など、作品に応じた釉薬を施します。
- 8.本焼 1,250度程度で12時間以上焼き上げます。酸素を含んだ酸化炎と、酸素を欠乏させた還元炎の方法があり、種類によって焼き方を変えていきます。白もんの特徴である貫入(かんにゅう)と呼ばれる表面の細かいひびは焼成後の冷ます過程で生じます。
- 9.上絵付 白もんにのみ上絵付けを施していきます。本焼きされた製品に対して720度〜800度の温度で6時間程度焼き上げます。骨描きと呼ばれる線書きを行い、色込めと呼ばれる色彩を施していきます。白もんの作品は豪華絢爛なものが多く、赤、緑、黄、紫、金色等を使って色込めをしていきます。金色の装飾である、金細工を施す場合には、上絵付けを行った後に金描き又は、金盛りを金色の絵の具で施し、600度〜680度で焼いていきます。
- 10.完成 窯出しを行います。焼く前にアルミナ等を塗布して焼き上げているため、底のざらつきを取り除く仕上げを行い、釉薬の飛びを綺麗にし完成します。
Representative Manufacturers / 代表的な製造元
沈壽官窯 チンジュカンガマ
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住所
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HP
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電話099-274-2358
荒木陶窯 アラキトウヨウ
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住所
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HP
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電話099-274-2733
Facility Information / 関連施設情報
鹿児島県歴史資料センター黎明館
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住所
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電話099-222-5100
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定休日月曜日(祝日の場合は翌平日)、毎月25日(土・日・祝日の場合は開館)、12/31~1/2
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営業時間9:00~18:00(ただし入館は17:30まで)
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アクセス鹿児島空港から空港バスで「金生町」下車、徒歩約10分。JR鹿児島駅から徒歩約15分。市電・バスは「市役所前」下車、徒歩約5分。
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HP
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