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小代焼 ショウダイヤキ
鉄分を多く含む小代粘土が生む素朴で力強い風合いと、藁灰釉や木灰釉などを大胆に流し掛ける表現が特徴。釉薬の調合や焼成によって「青小代」「黄小代」「白小代」など多彩な景色を生み出します。2003年(平成15年)、国の伝統的工芸品に指定されました。
Description / 特徴・産地
小代焼とは?
小代焼(しょうだいやき)は、熊本県北部の小岱山周辺を中心に作られている陶器です。主な産地は荒尾市、熊本市、宇城市、玉名郡南関町、長洲町で、2003年(平成15年)3月17日に国の伝統的工芸品に指定されました。
小代焼には、鉄分を多く含む「小代粘土」などが用いられ、素朴で力強い土味を生かした器が作られています。茶器、花器、食器、装飾品など幅広い製品があり、厚みのある器形と大胆な釉薬の表情が特徴です。
代表的なのが、器の表面に釉薬を勢いよく掛け、その流れや重なりを文様として生かす「打ち掛け流し」です。釉薬の調合や焼成時の温度、炎の状態などによって発色が変化し、「青小代」「黄小代」「白小代」などと呼ばれるさまざまな色調が生まれます。
国指定の伝統的技法では、木灰釉、藁灰釉、笹灰釉、茅灰釉、鉄釉などを用い、「浸し掛け」「杓掛け」「打ち掛け流し」「吹き掛け」「塗り掛け」「イッチン掛け」「蛇の目」「二重掛け」といった釉掛け技法が使われます。
また、素地には彫り、象がん、刷毛目、面取り、線彫り、櫛目、印花、貼り付け、輪花、透かし彫り、飛びかんな、イッチンなど、多様な装飾技法を施すことがあります。
小代焼は古くから「五徳焼」とも呼ばれ、器に五つの徳があると伝えられてきました。これは小代焼にまつわる伝承として受け継がれているもので、実際の効能を示すものではありません。
History / 歴史
小代焼は、江戸時代初期の1632年(寛永9年)に始まったと伝えられています。
この年、細川忠利が豊前国小倉から肥後国へ転封となり、それに従って移住した陶工・源七(牝小路家初代)と八左衛門(葛城家初代)が焼物師を命じられ、小岱山麓で焼き物を始めたとされています。
細川家の保護のもと、小代焼では茶器のほか、皿や鉢などの日用食器、火鉢などさまざまな製品が作られました。現在も南関町には、江戸時代の小代焼の歴史を伝える瓶焼窯跡や瀬上窯跡が残されています。
1836年(天保7年)には、山奉行の瀬上林右衛門が藩の産業振興策として瀬上窯を築きました。多くの陶工を集めて生産が行われ、この時期、小代焼は大きく発展しました。
明治時代になると、藩による保護が失われたことや生活・流通の変化などによって生産は縮小しましたが、技術は地域の陶工によって受け継がれました。
昭和に入ると、近重治太郎や城島平次郎らが小代焼の復興に取り組み、古くから伝わる技法を受け継ぎながら新たな作品制作が進められました。
その後も小岱山周辺を中心に制作が続けられ、2003年(平成15年)3月17日には国の伝統的工芸品に指定されました。
現在も小代粘土の風合いと、木灰や藁灰などを使った釉薬、打ち掛け流しをはじめとする伝統技法を生かした小代焼が制作されています。
Production Process / 制作工程
- 工程1 原土の採取・乾燥
小代焼では、鉄分を含む小代粘土など、産地周辺で採れる陶土を原料として用います。採取した原土は屋外などで十分に乾燥させ、その後の胎土づくりに適した状態に整えます。
乾燥させることで原土を砕きやすくし、水簸などの工程で不純物を取り除きやすくします。 - 工程2 水簸・胎土づくり
乾燥させた原土を細かく砕いて水に溶かし、砂や小石などの不純物を取り除く「水簸(すいひ)」を行います。
国指定の伝統的技法では、胎土は水簸によって調製することが定められています。水の中で土の粒子を分けながら必要な粘土分を取り出し、水分を調整して成形に適した胎土を作ります。 - 工程3 ねかし・土練り
調整した胎土を一定期間ねかせ、粘りや水分を均一にします。ねかせることで土が扱いやすくなり、成形に適した状態へ整います。
その後、荒練りや菊練りを行い、土の硬さを均一にするとともに、内部の空気をできるだけ取り除きます。 - 工程4 成形
製品の形や用途に応じて、さまざまな方法で胎土を成形します。
国指定の伝統的技法では、「ろくろ成形」「押型成形」「手ひねり成形」「たたら成形」「ひも作り成形」の5種類が定められています。
ろくろ成形では回転するろくろの上で器の形を整え、押型成形では型に土を押し当てて成形します。手ひねり、たたら、ひも作りなども、器の形や表現に応じて使い分けられます。 - 工程5 素地仕上げ・加飾
成形した器を適度に乾燥させた後、削りなどを行って形や厚みを整えます。
小代焼では、焼成前の素地に多様な装飾を施すことも特徴です。国指定の伝統的技法には、「彫り」「象がん」「刷毛目」「面取り」「線彫り」「櫛目」「印花」「貼り付け」「輪花」「透かし彫り」「飛びかんな」「イッチン」「ニナ尻」などがあります。
それぞれの技法を用いて、土の表面に線や凹凸、文様、立体的な装飾を加えます。 - 工程6 乾燥
成形と加飾を終えた器を、変形やひび割れが生じないよう注意しながら十分に乾燥させます。
厚みや形によって乾き方が異なるため、状態を確認しながら水分を徐々に抜き、素焼きに適した状態に整えます。 - 工程7 素焼き
十分に乾燥させた器を窯に入れ、800~900℃程度で素焼きします。
素焼きを行うことで器の形を安定させるとともに、適度な吸水性を持たせ、その後の釉掛けを行いやすい状態にします。 - 工程8 釉薬の調合
小代焼では、灰を生かしたさまざまな釉薬が用いられます。
国指定の伝統的技法では、「木灰釉」「藁灰釉」「笹灰釉」「茅灰釉」「鉄釉」の5種類が定められています。
灰や鉄分などの原料を調合し、水を加えて濃度を整えます。釉薬の組み合わせや焼成条件によって、青小代、黄小代、白小代などの多様な色調が生まれます。 - 工程9 釉掛け
素焼きした器に釉薬を施します。
国指定の伝統的技法には、「浸し掛け」「杓掛け」「打ち掛け流し」「吹き掛け」「塗り掛け」「イッチン掛け」「蛇の目」「二重掛け」の8種類があります。
なかでも「打ち掛け流し」は小代焼を代表する技法で、複数の釉薬を勢いよく掛け、その流れや重なりをそのまま文様として生かします。職人の手の動きと釉薬の流れによって、一点ごとに異なる表情が生まれます。 - 工程10 窯詰め・本焼き
釉掛けを終えた器を、作品同士が触れたり釉薬が流れて接着したりしないよう注意して窯に詰めます。
その後、約1,300℃の高温で本焼きします。窯の中では釉薬が溶け、土や灰、鉄分などが熱や炎と反応することで、小代焼特有の色合いや釉景が現れます。 - 工程11 窯出し・仕上げ
本焼きを終えた後、窯が十分に冷めるのを待って器を取り出します。
釉薬の発色や流れ、焼き上がり、ひびや変形の有無などを一つひとつ確認します。必要に応じて高台などを研磨して整え、最終的な検品を行って小代焼の完成です。
Facility Information / 関連施設情報
熊本県伝統工芸館
写真提供:熊本県
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住所
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電話096-324-4930
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定休日月曜日(祝日または休日の場合は、その翌日)年末年始(12/28~1/4)
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営業時間9:30~17:30
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アクセス電車:JR鹿児島本線 「熊本駅」下車後、バスまたは路面電 車に乗り換え12分バス・路面電車:「市役所前」下車徒歩5分熊本城周遊バス「伝統工芸館前」下車車:熊本インターチェンジから25分
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HP
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