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三州鬼瓦工芸品 サンシュウオニガワラコウゲイヒン
日本の屋根の守り神
300年以上続く伝統技術で造られるいぶし銀の瓦
Description / 特徴・産地
三州鬼瓦工芸品とは?
三州鬼瓦工芸品(さんしゅうおにがわらこうげいひん)は、主に愛知県碧南市、安城市、高浜市で生産される伝統工芸品です。
「三州」とは愛知県西三河地方の旧国名に由来する名称。この地域では瓦に適した良質な粘土が大量に採れたほか、配合粘土、釉薬、窯業機械などの関連産業も集まっていたため、瓦産業が発達しました。
原材料の陶土には三河粘土、山土、すいひ粘土などが使われます。約1,150度の高温で焼成することにより耐久性に優れた仕上がりとなり、「いぶし銀」という独特の発色を有するのが特徴です。
日本の伝統的な瓦としての文化は残しつつ、色、形、機能などは常に進化を続けており、現在では全国の粘土瓦生産量の約70%を占める最大産地となっています。
History / 歴史
西三河地方での瓦作りは、享保5年(1720年)に徳川吉宗により瓦葺きが奨励されて以降、地場産業として本格的に勃興することとなります。
この地を流れる矢作川によって良質な粘土が猿投山から下流へと運ばれ堆積し、瓦の原料として豊富に使えたことや、海の近くという立地のおかげで海運を使って江戸に輸送できたことなどから、瓦産業は発展を遂げました。
魔除けや厄除け、繁栄や富の象徴として屋根に飾られてきた鬼瓦ですが、時代とともにその用途も変化。床の間飾りや玄関飾りなど、日常的な装飾品や縁起物としても使われるようになりました。
近年では国宝・重要文化財などの復元も手掛けています。
Production Process / 制作工程
- 1.製図 焼き縮みを計算し正確な図面(型紙)を描きます。
- 2.罫書き(けがき) 型紙を使って粘土板に図面を罫書きし、カマで切り付け表面を作る。
- 3.張り付け
できた表面に側面を張り付ける。
この時、接合面はすべてカキヤブリという道具で傷をつけ、ハケで水をつけてやわらかい状態にします。裏面も表面と同じ作業で張り付けます。 - 4.造形 表面に雲などの模様を付け土して、全体の形を造り上げます。
- 5.仕上げ ほほどよい堅さになったら、ヘラを使って仕上げをします。
- 6.乾燥 風の通らない部屋で、布で乾き具合を調整したり、表裏を返したりしつつ、1カ月ほどかけて、鬼瓦の中心から全体的にゆっくりと乾燥させます。
- 7.焼成 約1,150度前後の高温で焼成します。大きな鬼瓦は造り始めてから窯出しまで2~3カ月以上の日数がかかります。
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