東京手彫り印章 トウキョウテボリインショウ

江戸時代から継承される精緻な技
手彫りの美しさが際立つ唯一無二の印章

Description / 特徴・産地

東京手彫り印章とは?

東京手彫り印章は、文字のデザイン、印面調整、字入れ、荒彫り(あらぼり)から仕上げに至るまで全ての工程が手作業。それぞれの工程で異なる技術が必要とされますが、全て一貫して一人の職人が行います。
製造における高い技術・技法は江戸時代から100年以上受け継がれています。彫刻を手掛けるのは、一級印章彫刻彫刻技能士の国家資格を持つ職人のうち東京印章協同組合の認定を受けた超一流の職人。現代では機械で作られることも多い印章ですが、東京手彫り印章は印章の中でも一目置かれる存在です。機械には真似ることのできない芸術品で、手彫り本来の美しさが特徴的です。
製造は現在も東京都千代田区、港区、武蔵野市などで行われており、伝統的な技法が継承されています。原材料には柘植(つげ)や水牛が伝統的に使用されています。

History / 歴史

印章制度の歴史は中国が起原とされますが、日本でも奈良時代より時代を超えてさまざまな印章が用いられてきました。江戸時代初期には、京都から江戸に移住した御印判師と呼ばれる職人たちが将軍や幕府、大名などの印章を作るように。印章は藩の公文書や村や商家の帳簿などに使用されるようになりました。さらに農民が用いる実印を名主が印鑑帳に登録し、必要な際には照合できるようにしたとか。印章が幕府御用達の御印判師だけでなく庶民にも普及すると、印判師と呼ばれる印判を彫ることを生業とする職業が江戸に広まりました。
明治時代初期には、最高官庁である太政官が発した太政官布告によって日本国民に実印の使用が許可されるようになりました。こうして日本人の社会生活に印章が定着していったのです。
私たちの日常や人生の節目において、実印や銀行印などの印章は自己の権利や義務、所有を証明する道具として必需品。印章は日本人の社会生活に密接に関わっています。

Production Process / 制作工程

  1. 1.印稿作成 印章を彫る前の下書きが印稿と呼ばれる工程です。画数などを考慮しながら、全ての文字がバランス良く並ぶようにデザインします。
  2. 2.字入れ 印稿をベースにして、印材へ筆で文字を入れます。捺印した時に正字になるよう、鏡に映し確認しながら逆字に書き入れます。非常に緻密な精度で何度も調整が行われます。
  3. 3.荒彫り 荒彫りとは、文字の輪郭を彫る作業です。文字以外の箇所の深さが均一になるよう、彫り下げます。
  4. 4.研磨 荒彫り後の印面をトクサという植物を用いて研磨し、字入れで盛り上がった墨や朱墨を落とします。荒彫りでできたささくれを取り除き、最後にもう一度墨を打ちます。
  5. 5.仕上げ 専用の印刀を使いながら、枠や線の太さと交差部分を調整します。捺印、確認、仕上げを何度も行うことで、印稿を忠実に再現します。

Facility Information / 関連施設情報

東京印章協同組合

Other Other crafts / その他の工芸品一覧

Other Crafts Made in Tokyo / 東京都の工芸品