写真提供: 沖縄観光コンベンションビューロー
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久米島紬 クメジマツムギ
久米島に自生する植物による草木染めや泥染めが生む、深く落ち着いた色合いと素朴でしなやかな風合いが特徴。絣括りから染色、織りまでを一人の織子が手仕事で担い、繊細な絣模様を織り上げます。1975年(昭和50年)、国の伝統的工芸品に指定されました。
Description / 特徴・産地
久米島紬とは?
久米島紬(くめじまつむぎ)は、沖縄県島尻郡久米島町で作られている絹織物です。1975年(昭和50年)2月17日に、国の伝統的工芸品に指定されました。また、2004年(平成16年)9月2日には、その制作技術が国の重要無形文化財に指定されています。
久米島紬の特徴は、真綿から手でつむいだ糸のしなやかな風合いと、久米島に自生する植物や泥を用いて染める深みのある色調です。
国指定の伝統的技法では、先染めの平織りとし、経糸には生糸、緯糸には真綿から手でつむいだ糸を用います。また、緯糸を通す際には「手投杼(てなげひ)」を使って手織りします。
絣糸は「手くくり」によって防染します。染めない部分を糸でしっかりと括り、サルトリイバラやシャリンバイなどの植物性染料で染色します。発色や色の定着には、久米島の泥土や明ばんなどを媒染剤として用います。
久米島では、テカチ(シャリンバイ)、グール(サルトリイバラ)、フクギ、ユウナ、ヤマモモなど、島に生育するさまざまな植物が染料として利用されてきました。なかでも植物染料と泥媒染を組み合わせた深い黒褐色は、久米島紬を代表する色調の一つです。
絣には、御絵図に由来する伝統的な文様をはじめ、自然や動植物を題材にした多様な文様があります。織り上げた反物は最後に砧打ちを行い、布目を整えながら独特の光沢と風合いを引き出します。
現在も、図案、糸づくり、絣括り、植物染め・泥染め、製織など多くの工程を手作業で行い、久米島に受け継がれてきた染織技術が守られています。
History / 歴史
写真提供: 沖縄観光コンベンションビューロー
久米島では、15世紀頃にはすでに養蚕が行われていたと考えられています。
久米島紬の起源については、堂之比屋が中国へ渡って養蚕技術を学び、久米島へ伝えたという伝承があります。久米島町や沖縄県の資料でも、15世紀頃の堂之比屋による養蚕技術の導入が、久米島の織物文化の始まりの一つとして伝えられています。
17世紀前半には、琉球王府から派遣された坂本普基や友寄景友らによって、養蚕、真綿づくり、染色、紬織などの技術指導が行われ、現在の久米島紬につながる技術的な基礎が整えられたとされています。
その後、久米島の織物は琉球王府への貢納布に定められました。王府が定めた「御絵図」に基づいて絣文様や色などが指定され、厳しい管理のもとで製織されたことが、絣や染色技術の高度な発達につながりました。
この貢納布制度は1903年(明治36年)まで続きました。制度が廃止され、自由な製造・販売が可能になると、久米島紬は商品としての生産を拡大していきました。大正時代には生産量が大きく増加し、久米島を代表する産業の一つとなりました。
第二次世界大戦後には生産量が大きく落ち込みましたが、組合の設立、共同染色施設の整備、後継者育成などを通じて復興が進められました。
1975年(昭和50年)2月17日には国の伝統的工芸品に指定され、2004年(平成16年)9月2日には、養蚕、糸づくり、手くくりによる絣、天然染料による染色、手織りなどの伝統的な制作技術が国の重要無形文化財に指定されました。
現在も久米島では、島の自然素材と手仕事を生かした久米島紬の技術が受け継がれています。
Production Process / 制作工程
写真提供:沖縄観光コンベンションビューロー
- 工程1 糸づくり
久米島紬では、国指定の伝統的技法として、経糸には生糸、緯糸には真綿から手でつむいだ糸を用います。
経糸となる生糸は、繭から糸を引き出して必要な太さに整えます。緯糸は、繭を真綿の状態に広げ、そこから繊維を少しずつ引き出しながら手でつむぎます。
用途に応じて糸の太さや状態を整え、後の絣括りや染色、製織に適した糸を準備します。 - 工程2 意匠設計
織り上げる文様や配色を決め、絣の配置を設計します。
久米島紬には、琉球王府時代の「御絵図」に由来する伝統的な文様をはじめ、鳥、植物、生活道具など、久米島の自然や暮らしを題材にしたさまざまな絣文様があります。
完成したときに文様が正しい位置に現れるよう、経糸と緯糸それぞれの絣の位置を細かく計画します。 - 工程3 整経・種糸づくり
必要な長さと本数に合わせて経糸を整える「整経」を行います。
その後、絣文様の位置を正確に示すための「種糸」を作ります。図案に基づいて染め分ける位置を種糸に印し、その情報を実際の経糸や緯糸へ移します。
この工程で絣の位置を正確に決めることが、織り上がった文様の仕上がりを左右します。 - 工程4 絣括り
図案に基づいて、染めずに残す部分を糸でしっかりと括ります。
久米島紬では、この防染を機械ではなく手作業で行う「手くくり」が、国指定の重要な伝統技法です。
括った部分には染料が入りにくくなるため、染色後に括り糸を外すと元の糸色が残り、絣文様の基礎となります。 - 工程5 植物染め・泥染め
括った糸を、久米島に自生する植物などから作った染液で染めます。
国指定の伝統的技法では、サルトリイバラやシャリンバイなどの植物性染料を用い、泥土や明ばんなどによって媒染します。
久米島では、グールと呼ばれるサルトリイバラ、テカチと呼ばれるシャリンバイのほか、フクギ、ユウナ、ヤマモモなども染料として利用されてきました。
染色と媒染、乾燥を必要に応じて繰り返し、目的とする色合いまで染め重ねます。泥媒染を用いる場合には、植物染料に含まれる成分と泥土中の鉄分などが反応し、深みのある黒褐色などを生み出します。 - 工程6 絣解き・糸の準備
染色を終えた糸の括りを外し、絣文様となる染め分けを確認します。
糸を洗って余分な染料などを落とし、乾燥させた後、絡まりをほどきながら一本一本整えます。
経糸と緯糸をそれぞれ製織しやすい状態にそろえ、次の機準備へ進みます。 - 工程7 仮筬通し・巻き取り
経糸を正しい順序と間隔に並べるため、仮筬に通します。
筬は、経糸の間隔を整え、織る際に緯糸を打ち込むための櫛状の道具です。仮筬を使って糸の並びを整えた後、絣の位置がずれないよう注意しながら経糸を千切などへ巻き取ります。
文様の基準となる位置を確認しながら、経糸全体の張りを均一に整えます。 - 工程8 綜絖通し・筬通し
巻き取った経糸を、綜絖に一本ずつ通します。
綜絖は、経糸を上下に分けて開口させ、緯糸を通すための仕組みです。続いて本筬に経糸を通し、糸の順序と間隔を整えます。
一本でも通し間違えると文様や織り組織に影響するため、絣の位置を確認しながら正確に作業します。 - 工程9 手投杼による製織
久米島紬は、国指定の伝統的技法として、先染めした糸を用いた平織りで織ります。
緯糸を巻いた管を入れた「手投杼」を手で左右に投げて緯糸を通し、一越ごとに筬で打ち込みます。
絣文様を織る際には、経糸と緯糸の絣部分が正しく重なるよう、その都度糸の位置を細かく調整しながら織り進めます。 - 工程10 洗い・砧打ち・仕上げ
織り上がった反物を水洗いし、糸や布に残った余分な染料や汚れを落とします。
適度に乾燥させた後、「砧打ち」を行います。反物を畳んで木槌などで丁寧に打つことで、布目を整え、表面をなじませながら久米島紬独特の光沢としなやかな風合いを引き出します。
Facility Information / 関連施設情報
久米島紬の里 ユイマール館・展示資料館
写真提供:沖縄観光コンベンションビューロー
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住所
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電話0989-85-8333
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定休日旧盆、年末年始
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営業時間9:00~17:00
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アクセス那覇空港から 飛行機で約30分 久米島空港着。久米島空港から 車(一般道)で約 25分
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HP
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