八重山ミンサー

八重山ミンサー ヤエヤマミンサー

八重山の海の藍と草花を連想させる織物
シルクロードを経て、庶民の生活に根付く

Description / 特徴・産地

八重山ミンサーとは?

八重山ミンサー(やえやまみんさー)は、沖縄県八重山郡竹富町や石垣市で作られている織物です。起源は定かではありませんが、アフガニスタン地方で見られる絣の帯が中国を経由して伝わったものだと考えられています。琉装の角帯として用いられていました。
八重山ミンサーの特徴は、経緯ともに木綿糸を使って織られるたてうね織りで、縞と絣の柄が使われることです。八重山ミンサーは普段着の帯として織られてきたもので、ミンは綿、サーは狭い帯を表しています。
素材には、藍染の木綿糸が用いらます。絣模様は手括り(てくくり)で作られ、紺と白の鮮やかな対比が特徴的です。使われる染料は、インド藍や琉球藍、紅露(クール)、フクギなどの植物染料の他、近年では化学染料も使われます。
高機で筬(おさ)を使う織り方と、使わない手締めという織り方があり、織り上がったものは手触りや締め心地が大きく異なります。

History / 歴史

八重山ミンサーはアフガニスタンから中国を経て、八重山地方に伝わった織物だとされる一方、木綿発祥の地であるインドから伝わったという説もあります。16世紀初めの琉球王朝時代には、木綿布(ミンサー)が使われていたことが古い文献からわかり、この頃すでに八重山ミンサーが織られていたと考えられます。
八重山ミンサーはかつて通い婚だった頃、婚礼のしるしとして女性から男性へ贈られていました。5つと4つで図案化された市松模様のような絣模様の両側に、細い線でムカデの足のような縁取りがあり、これには「いつ(五)の世(四)までも、ムカデの足のように足繁く通って欲しい」という娘たちの思いが込められています。
竹富町を中心に作られていたミンサーは、現在では石垣島でも織られています。かつては紺一色でしたが、現在は色も豊富で、芭蕉や苧麻、絹などさまざまな糸が使われたものもあり、観光客向けに小物や袋物などさまざまな製品が作られるようになりました。

General Production Process / 制作工程

八重山ミンサー - 制作工程 写真提供:沖縄県

  1. 1.整経 八重山ミンサーは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)に木綿糸を使うのが特徴です。まず、織る幅に合わせて必要となる経糸の本数を計算し、模様の部分にあたる絣糸と白い線の部分にあたる縞糸、地糸の長さをそれぞれ揃えておきます。この作業により、帯の長さと幅が決まります。
  2. 2.絣括り(かすりくくり) 整経が終わったら、絣糸を水張りして藍染の準備を行います。八重山ミンサーでは括り染めの技法を用いて糸を染めていきます。絣模様の大きさを描いた定規を使い、白く残す部分に印をつけてひもでしっかりと括り、染色液が染み込まないようにします。以前はイトバショウの皮を用いて括っていましたが、現在ではビニールひもが使われるのが一般的です。
  3. 3.藍染め 絣括りが終わった糸を水に浸し、糸についている汚れを落とします。糸を脱水してから、経糸の地糸と絣糸、緯糸に分け、藍染液につけて染めていきます。藍染は空気に触れることで酸化発色するのが特徴です。そのため、藍染めの液の中で2~3分もむようにしては取り出す作業を、色が十分に濃くなるまで繰り返します。伝統的な八重山ミンサーの染料には主にインド藍が使われ、藍以外の色に染める場合は、紅露(クール)やフクギ、ヤマモモ、アカメガシワなど八重山の植物染料が使われます。
  4. 4.絣とき 染め上がった絣糸は乾かし、括りひもをていねいにはずしていきます。このあと、経糸の地糸と絣糸の長さを整えておきます。
  5. 5.カチタミ(のり張り) 張力が均一になるように、糸にのり張りをします。これは伸びやすい木綿糸の長さをそろえ、織る際に絣模様がずれないようにするためです。家の石垣に杭を打ち込み、そこに糸を張って行います。乾燥させるため日中に行われますが、糸の長さや天候などにより2日ほどかかることもあります。この一手間で織りやすく、織り上がりも美しくなるため欠かせない作業です。
  6. 6.仮筬通し(かりおさどおし) 図案通りに経糸の地糸、絣糸、縞糸を並べ、筬に1本ずつ通し、織幅を確認します。実際に織る際には再度取り外すため、仮筬通しと呼ばれます。
  7. 7.経巻き(たてまき) 仮筬に通した経糸を揃え、絣がずれないように注意しながら、たるみやよじれが出ないように巻き取っていきます。一定の張力を保って絣糸と地糸の張り具合を揃えることで、このあと美しい織物を作り出すことができます。
  8. 8.綜絖通し(そうこうどおし)と本筬通し(ほんおさどおし) 経巻きでロール状に巻いた経糸を機に乗せ、糸の端を糸の上下運動をする綜絖の目に前後1本ずつ通し、それをさらに本筬に通します。八重山ミンサーは平織りが基本ですが、綜絖や筬の通し方で織に変化を出すこともあります。手締めの場合は筬には通さずに織るため、本筬通しは行いません。
  9. 9.製織 経糸の張力を整え、刀杼(とうひ)を使って緯糸を通して織っていきます。緯糸に使うのは藍染めの地糸です。織り上がった織物は洗濯をして仕上げ、検査をして完成します。

Leading Ateliers / 代表的な製造元

株式会社あざみ屋 アザミヤ

よりあい織物工房 ヨリアイオリモノコウボウ

八重山ミンサーの製造・加工・卸・直売・通信販売をしています。石垣島の大自然の中で、永遠の愛の証であった八重山ミンサー織りを受け継いでいます。

Where to Buy & More Information / 関連施設情報

沖縄県立博物館・美術館

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