琉球絣

琉球絣 リュウキュウカスリ

600種類以上の伝統図柄
モダンに進化を続ける幾何学模様と製品群

Description / 特徴・産地

琉球絣とは?

琉球絣(りゅうきゅうかすり)は、沖縄県で織られている織物です。主に絹糸を使用した織物で、草木を原料とした染料のほか化学染料等が使われています。
琉球絣の特徴は、およそ600種にものぼる多彩な沖縄の自然や動植物を取り入れた図柄です。図柄を活かして織られた反物が中心で、夏季に使用する壁上布(かべじょうふ)と言われる織物も生産されています。爽やかで美しい独特の幾何学模様の図柄は、琉球王府時代から伝わる御絵図帳の図柄が元です。古来の伝統の図柄に時代の感覚を取り入れて、職人がオリジナル模様を作ってきました。
糸を染め上げる際は、図柄をもとに模様部分を1カ所ずつ手括りで締め上げていくという手間のかかる作業によって独特の絣模様を作りあげます。
琉球絣の織りは、緯糸を経糸の間に道具を投げ込んで手作業で織っていくという昔ながらの技法です。日々1~2メートル位ずつを職人が丹念に織り上げていきます。

History / 歴史

14~15世紀に中国、東南アジアとの貿易が行われたことから琉球王国へ織物技術が入ってきました。琉球絣は、沖縄王府に収める貢納布(こうのうふ)として織られるようになります。
貢納布は、首里王府の絵師がつくったデザイン集である御絵図帳(みえずちょう)の図柄を織物に完成させたものです。デザインや染色、織物技術は発展し琉球絣の製造には島の女性たちが従事していました。
明治時代になると商品として琉球絣が市場に出回り、大正時代から昭和時代の初めごろには沖縄県は多くの織子を養成しました。その後、絣織物の技術者の移住などにより産地としての基盤が固っていき、民間の工場も設立され沖縄県は絣の産地へと発展を遂げました。
第二次世界大戦が起こると資材の供給が止まり、織物工場は閉鎖されます。産地は戦争の激戦地となり、多くの生産技術者の命と生産設備が奪われました。戦後、琉球絣は先祖から受け継いだ伝統に現代の感覚を加えて復活し、魅力的な多種類の模様と豊かな色柄で様々な服飾品やインテリア用品が作られています。

General Production Process / 制作工程

  1. 1.意匠設計(いしょうせっけい) 琉球絣(りゅうきゅうかすり)は、図案に合わせて織っていきます。糸を括って染めてから、織るという手順です。
    図案は伝統的な絣の柄を基本に大きさや配置を変えたり、いくつかの図を組み合わせて作成します。一反の琉球絣を仕上げるのにかかる時間は、約一ヶ月です。絣模様を括って染める際には、織る人が早く織れるように絵図式という方法を使います。16ほどの工程があり、各工程は専門性が高く分業です。
  2. 2.整経(せいけい) 元になる図に合うように、必要な長さの経糸と緯糸を揃えていきます。織りの工程で発生する縮みなども計算して、糸の長さを決めるのがポイントです。
  3. 3.絣括り(かすりくくり) 糊付けをして張って伸ばした経糸に、「真芯掛け」という作業を行ないます。「真芯掛け」は経絣(たてかすり)を括る技法です。図案に沿って絣の種類に合わせて経糸の本数を揃えて、上下に引きます。括りは手作業のため、大変な力作業です。図柄に沿って絣糸を作成しておき手で括り、絣の模様のズレ防止に経糸を糊付けします。
  4. 4.染色(せんしょく) 充分に糊を落としてから染色作業です。主にグール(サルトリイバラ)・テチカ・琉球藍などの植物による染料を使って、多彩に染色します。化学染料は染色機を使用し、植物染料は伝統的な鍋染めです。染色した後、再度糊付けをして張り、伸ばします。
  5. 5.絣解き(かすりとき) 絣の括り糸を解いていき、図案の通りに絣を配列して張って伸ばしていきます。
  6. 6.筬通し(おさとおし) 図案に沿って、絣糸と地糸を割り込んで筬(おさ)に通します。筬は、織機の部品の一つで、経糸の位置を整えて打込んだ緯糸を押し、密度を濃く織っていけるように打ち込むための道具です。
  7. 7.巻き取り 糸のもつれや、弛みが生じないように糸を巻いていきます。経糸、他糸、絣糸を同時に巻きながら、ブーブーと呼ばれる「ちぎり箱」へと巻いていく作業です。近年は動力を用いて巻き取り工程の時間短縮を図っています。
  8. 8.綜絖がけ(そうこうがけ) 琉球絣では既製の綜絖は使わず、経糸に糸をかけて綜絖作業をします。綜絖(そうこう)は織機の一部品で、緯糸を通すために杼 (ひ)の通る道を作る為に、経糸を動かす用具です。撒き終えた糸を左から順序よくすくい、割竹を使用して綜絖掛けを行います。
  9. 9.種糸取り 緯糸に、種糸を取る絵図式を使用します。伝統的な御絵図帳や絣図案などを参考にして、職人が独自の絣図案を作成するのが特長です。種糸で印をつけておいた部分をくくって染色をします。糸を1本1本分ける絣分けをして、ヤーマという道具を使って小さな管に巻いていきます。
  10. 10.織り 琉球絣の織りは熟練した職人による手作業です。木製の高機(たかはた)を使って、手なげ杼(ひ)に緯糸をセットして絣の柄を合わせながら織ります。織りが完成したら、水洗いをした後、湯のし・幅だしの作業を経てから充分に干して完成です。

Leading Ateliers / 代表的な製造元

琉球染織 琉香 リュウキュウセンショク

Where to Buy & More Information / 関連施設情報

琉球絣事業協同組合