五代伊藤赤水
- 陶磁器
- 新潟県
佐渡無名異焼 サドムミョウイヤキ
使い込むほどに増す光沢感が味わい深い
佐渡金鉱の赤土が生み出す逸品
Description / 特徴・産地
佐渡無名異焼とは?
新潟県の佐渡で焼き継がれている無名異焼。無名異とは、佐渡金鉱にある石英岩の欠裂箇所に沈殿し酸化鉄を含んだ鉱物のことで、昔は止血や中風の薬として用いられたのだとか。その無名異と佐渡島内の沢根産粘土を混合して焼いた陶器が無名異焼です。
とても細かい粒子の陶土を用いるため、収縮率が高いことも特徴的。他の焼き物が1~1.5割程度なのに対し、無名異焼では成形から焼成までに3割程度も収縮します。収縮して焼き締まることでとても硬くなり、たたくと金属音がするほどです。
製造の途中、生磨きや焼成後に砂研磨を行うなど、特殊な作業が行われます。
無名異焼は混ぜ合わせる素材によって、表面の模様や色が変化。どのように仕上がるかは焼き上がるまで分かりません。唯一無二の模様や色が楽しめることも魅力のひとつです。
使い込むにつれ光沢が増す無名異焼。陶土に多く含まれている鉄分がお茶やコーヒー、アルコールなどの味をまろやかにするともいわれ、注目を集めています。
History / 歴史
赤水窯
佐渡無名異焼の始まりは江戸時代後期に遡ります。新潟・佐渡金山の坑内で採れる無名異を使って伊藤甚平が楽焼を製造。その無名異で伊藤富太郎が本焼を始めました。
明治時代になると、初代・三浦常山や初代・伊藤赤水などが無名異を使った焼き物に成功。質がもろい従来の無名異焼を堅固な作りにしようと努力を重ね、高火度の朱紫泥(しゅしでい)焼を完成させました。その後、芸術性の高い作品が作られるようになり、佐渡無名異焼は美術工芸品となっていきました。
やがて佐渡のなかでも随一の鉱山町だった相川地区を中心に、無名異焼の窯元が増加。佐渡の産業として、無名異焼の名は国内外に知られるようになりました。2003年に、国の重要無形文化財にも指定されています。
現在も相川地区にあるそれぞれの窯元では、無名異焼の高い技術が受け継がれています。
Production Process / 制作工程
赤水窯
- 1.採土・成土 佐渡金鉱から採掘した無名異土を目の粗いふるいにかけます。大きな石や木の根を取り除いたら、水を混ぜて泥漿(でいしょう)にします。少し目の細かいふるいにかけたら、成形できる固さに乾燥させます。空気を抜くため、菊練りをしておきます。
- 2.成形 ろくろなどを使って成形します。
- 3.生磨き 半分くらい乾燥した器の表面をへらで押して締めます。作品に注ぎ口や持ち手といったパーツがある場合は、つなぎ目を滑らかにしていきます。
- 4.焼成 高温で焼いていきます。
- 5.砂研磨 焼き上がった器を砂や布を使って表面を磨き、光沢のある鮮やかな赤色を出していきます。摩擦によって高温になり危険を伴うため、近年では砂研磨を行わないこともあるようです。
Representative Manufacturers / 代表的な製造元
伊藤赤水本店 イトウセキスイホンテン
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定休日不定休
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営業時間10:00~17:00
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住所
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HP
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電話0259-74-2127
Facility Information / 関連施設情報
伊藤赤水作品館
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住所
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電話0259-74-0011
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定休日水曜日定休、11月半ば~4月半ばまで冬季休館、臨時休業あり
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HP
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